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選択的JAK阻害剤登場でRA治療は変わるか-リリーがセミナー開催

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2017年07月19日 PM04:00

進歩したRA治療、なお1/3が中程度以上の疾患活動性

日本イーライリリー株式会社は7月3日、選択的JAK1/JAK2阻害剤の「(R)」(一般名:)が、既存治療で効果不十分な関節リウマチの適応で製造販売承認を取得したと発表した。これを受けて同社は7月14日、記者発表会を開催。産業医科大学医学部第1内科学講座の田中良哉教授が講演した。


医学部
第1内科学講座 教授

田中氏によると、)で特に患者の訴えが多い症状が「怠さ」や「疲れやすさ」。このため、RAは関節だけでなく、全身性の疾患と考えるべきだという。RAは発症から2年のうちに関節破壊が進むため、発症早期からの治療開始が重要になる。近年ではRA治療が進歩し、関節破壊を抑制することで患者の長期予後を改善できる時代となった。

RA治療では、まずはメトトレキサートなどの経口従来型疾患修飾性抗リウマチ薬(cDMARDs)による薬物治療を開始し、効果が認められなければ生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(bDMARDs)を追加する。しかし、これらの治療選択肢を駆使しても寛解に至らない患者が一定数存在し、RA症例を登録している田中氏の施設でも、生物学的製剤導入で寛解に至るのは2/3程度。1/3の患者は中程度以上の疾患活動性を示し、寛解には至らないという。

日常生活に直結する症状も改善

オルミエントは1日1回投与の経口薬。選択的にJAK1とJAK2を阻害する。JAK依存性サイトカインは、RAをはじめとする炎症性疾患や自己免疫疾患の病因と関連すると考えられており、JAK酵素としてはJAK1、JAK2のほか、JAK3、TYK2の4種類がある。2013年に発売されたトファシチニブ(製品名:ゼルヤンツ)はJAK1、JAK2、JAK3を阻害、TYK2も軽度に阻害するのに対し、オルミエントはJAK1とJAK2の選択的な阻害作用が特徴だ。

同剤の治験に初期から参加していたという田中氏は、生物学的製剤のアダリムマブに対する非劣性を検討した同剤の第3相臨床試験結果を紹介。主要評価項目のACR20改善率では、プラセボ群の40.2%に比べ、69.6%と有意な改善が認められ(p≦0.001)、アダリムマブ群の61.2%に対しても非劣性が示された。疾患活動性スコア(DAS28-hsCRP)などの副次評価項目でも、オルミエント群はプラセボ群に比べ有意な改善が認めれたとともに、アダリムマブ群に対する非劣性が証明された。中でも、副次評価項目のひとつ、患者報告アウトカム(PRO)では、疼痛や疲労、朝の関節のこわばりの重症度や持続時間などが患者自身の申告に基づき評価された。「これらの項目は日常生活に直結する。これらの項目について、アダリムマブ群よりもオルミエント群でさらなる改善がみられたということは、これまでよりも患者のQOLを向上させる可能性があるといえる」(田中氏)

MTXでの治療効果不十分例に対しては、これまで点滴や皮下注製剤の生物学的製剤が用いられてきたが、経口のJAK阻害剤に2剤目が登場し、患者の生活スタイルや嗜好に合わせた選択ができるようになってきた、と田中氏。治療における位置づけや、トファシチニブとの使い分けに関してはこれからの課題としながらも、「生物学的製剤の登場時と同じように、JAK阻害剤の登場によっていま、RA治療の歴史が変わろうとしている。寛解維持の長期継続、休薬、さらに最終的には薬をやめることを目標にできる日が来るかもしれない」と期待をのぞかせた。

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