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膿疱性乾癬、医師と患者の治療に対する認識ギャップが明らかに-ベーリンガーほか

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2023年03月07日 AM11:05

GPP診療経験のある皮膚科医、GPP患者を対象に調査

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は3月3日、汎発型膿疱性乾癬(GPP:Generalized Pustular Psoriasis)の確定診断を受けたことのある患者と、膿疱性乾癬患者を診察している皮膚科医(以下、医師)を対象に、日本における膿疱性乾癬の疾病負荷と治療に関する患者・皮膚科医間の認識ギャップについて調査研究を行い、その結果を発表した。この研究は、同社と帝京大学医学部皮膚科学講座の多田弥生教授が行ったもの。研究成果は、「Future Rare Diseases」に掲載されている。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

GPPは、生命を脅かすおそれのある希少な難治性皮膚疾患であり、尋常性乾癬とは臨床的に区別される。GPPは、好中球が皮膚に集積することによって引き起こされ、痛みを伴う無菌性膿疱が全身に多発する。臨床経過には幅があり、急性症状の再発を繰り返す患者もいれば、症状が遷延して断続的に症状の悪化が起こる患者もいる。GPPの急性症状の重症度は人によって異なるが、治療せずに放置すると、心不全、腎不全、敗血症や多臓器不全などを引き起こす可能性があり、場合によっては命にかかわる。この慢性かつ全身性の疾患は、患者のクオリティオブライフに重大な影響を及ぼし、医療にとって負担となる。GPPは、地域によって罹患率に差があり、男性よりも女性の方が、罹患率が高い傾向にある。許容できる安全性プロファイルを持ち、GPPの急性症状を迅速かつ完全に解消し、再発を防止する治療薬に対するアンメットニーズが存在する。

調査は、医師調査が2022年4月22日~4月28日、患者調査が同年4月8日~6月10日にWebアンケート形式の質問票を用いて実施された。患者本人が回答困難な場合は、家族または介護者が調査票入力を支援することが認められていた。回答者は、医師が66例で、日本皮膚科学会承認の生物学的製剤使用認定施設で現在1人以上のGPP患者の診療にあたっている皮膚科医だった。患者は46例で、皮膚科医によりGPPと診断を受けた18歳以上だった。

患者が最も辛かったのは「皮膚症状」83%、医師が第一に取り除くべきと考えるのは「全身症状」58%

患者が診断時に最も辛かった症状は、膿疱(33%)や皮疹(28%)など、「皮膚症状」という回答が83%だった。一方、医師が第一に取り除くべきだと考える症状は、「全身症状」が58%(「発熱や悪寒」52%、「全身の倦怠感」6%)と最も多くみられた。特に、患者は第一に「膿疱」や「皮疹/皮膚のただれ、じゅくじゅくした状態」を取り除くべきと考える中、医師は第一に「発熱や悪寒」と考えていたことがわかった。

「目指す皮膚の状態」「治療に関する説明」にもギャップ

皮膚症状に関して、医師の83%と患者の84%が、「皮膚症状が綺麗になること(「完全に綺麗な皮膚」「膿疱・紅斑・鱗屑がほぼない」「膿疱はほぼない」の合算)を重視していることがわかった。しかし、内訳をみると、患者が期待する状態として最も多かったのは「完全に綺麗な皮膚」(56%)に対し、医師が目指している状態は「膿疱・紅斑・鱗屑がほぼない状態」(42%)、「完全に綺麗な皮膚」(41%)とギャップがあることがわかった。

また、「治療薬・治療方法」について、医師は91%が「説明している」と回答したのに対し、患者は67%だった。また、「治療の目標を共有した上での現状の説明」は、医師は53%が「説明している」と回答したのに対し、患者は35%という結果だった。

患者の理解度に沿って治療方針の合意を得ていくことが重要

帝京大学の多田教授は、調査研究結果について、次のように述べている。「膿疱性乾癬患者の治療においては全身症状のコントロールに目が向くが、改めて結果を見ると、患者は特に皮膚症状を気にしているということを再認識した。医師としては、全身症状の管理を行いながら、治療について患者さんと十分にコミュニケーションをとって、皮膚症状をコントロールしていくことが大切だと考える。また、疾患や治療の説明にあたっては、繰り返し伝えること、患者の理解度を確認しながら治療方針の合意を得ていくことも重要だ」。

同社では、患者と医師、患者同士のコミュニケーションを効率的にサポートするためのサービス(アプリ)「GPPひろば」を展開。また、患者の声が起点となる、啓発プロジェクト「Illuminate Tomorrow」も本格始動させている。「同アプリが、治療方針の共同意思決定のサポートとなってほしいと期待している。乾癬患者が抱える多様な悩みを医師や周囲に相談できる環境づくりをサポートし、患者の生活の質の改善を後押しする」としている。

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