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ベンラリズマブ、重症喘息患者対象のP3試験で主要評価項目を達成-英AZ

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2017年05月29日 PM12:45

経口ステロイド薬使用量の減量効果を示す

英アストラゼネカ社は5月22日、呼吸器領域の生物学的製剤である「)」について、第3相ZONDA試験の結果を2017年米国胸部学会(ATS)国際集会にて発表。ベンラリズマブの2つの用量レジメンをプラセボと比較し、維持療法としての経口ステロイド薬の投与量が統計学的に有意かつ臨床的に意味のある減量ができ、主要評価項目を達成したという。

ベンラリズマブは、好酸球の表面に発現するインターロイキン-5(IL-5)受容体に対し直接的に作用するヒト化抗IL-5受容体αモノクローナル抗体製剤。喘息では、好酸球とよばれる生物学的エフェクター細胞が炎症と気道過敏性を起こし、症状が重症化する場合がある。ベンラリズマブは、抗体依存性細胞傷害活性()を高め、IL-5受容体を発現している好酸球を速やか且つほぼ完全に除去する特徴がある。また、早期第1/2相試験により24時間以内に効果発現することが確認されている。

ZONDA試験は、高用量吸入ステロイド薬(ICS)/LABAでの治療・経口ステロイド薬を長期間使用している、血中好酸球数が150/μL以上で、コントロール不良の成人重症喘息患者220例を対象とした、28週無作為化二重盲検プラセボ対照多施設間第3相試験。主要評価項目は、ベースラインから28週までの経口ステロイド薬用量の変化率だ。

米国での審査完了時期は2017年第4四半期を予定

試験の結果、ベンラリズマブ投与群は、プラセボ投与群の患者に比べ、経口ステロイド薬減量の可能性が4倍以上高いことがわかった。経口ステロイド薬用量の減量中央値はベンラリズマブ投与群において75%、プラセボ投与群においては25%だったという。

また、8週間隔の用量レジメンによる経口ステロイドの減量について検討する副次的評価項目でも有意な結果が示された。50%以上経口ステロイド薬を減量できた患者の割合は、ベンラリズマブ投与群で66%、プラセボ投与群で37%。90%以上経口ステロイド薬を減量できた患者の割合は、ベンラリズマブ投与群で37%、プラセボ投与群12%だった。同試験の治験実施計画書の経口ステロイド薬の投与中止規定に合致して、経口ステロイド薬の使用を完全に中止することが出来た患者の割合は、ベンラリズマブ投与群で52%、プラセボ投与群で19%だったという。

さらに、ベンラリズマブの8週間隔の用量レジメンによる治療を受けた患者の急性喘息増悪の予防、もしくは発生率の低下に関する解析も行った。その結果、プラセボとの比較で、喘息増悪の年間発生率を70%低下、緊急治療室への搬送・入院を必要とする喘息増悪の発生率を93%低下が示されたという。

ZONDA試験のデータは、第3相試験のSIROCCO試験・CALIMA試験のデータと共にベンラリズマブの薬事承認申請に含まれている。現在、ベンラリズマブは、どの国・地域においても未承認だが、米国・EU・日本、その他数か国において承認審査中。米国での処方薬ユーザー・フィー法による審査完了時期は2017年第4四半期とされている。

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