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スイス・ノバルティス 「SOM230 LAR」が、第一世代のSSA投与でコントロール不良の先端巨大症に優れた有効性を示す

読了時間:約 1分20秒
2014年06月03日 AM06:00

GHとIGF-1値の抑制を達成

スイスのノバルティスは現地時間の5月5日、開発中の「SOM230 LAR(一般名:pasireotide、予定される製品名:SIGNIFOR(R))」に関して、現在の標準治療では適切に管理できない先端巨大症の患者を対象に実施された第3相臨床試験の結果を発表した。


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先端巨大症は、脳下垂体に発生する良性の腫瘍により、成長ホルモン(GH)が過剰に分泌され、インスリン様成長因子1(IGF-1)レベルが上昇することで引き起こされる疾患。

GHとIGF-1が過剰産生されることで、手、足、顔貌など身体の各部分が肥大し、同時に心血管系、代謝系、呼吸器系などに重篤な合併症を発症し、長期にわたりGHとIGF-1が高い状態のままであった場合、死亡リスクは2倍から3倍に増加する。

主な治療はGHとIGF-1値の抑制であり、腫瘍の縮小、臨床上の兆候と症状の改善も、疾患管理に必要となる。

現在の標準治療であるSSAと比較

同試験は、現在の標準治療であるオクトレオチドLARまたはランレオチドといったソマトスタチンアナログ(SSA)による治療と、SOM230 LARの投与による治療を比較したもの。

最大承認用量でSSAの投与を受けたにもかかわらず、GHとIGF-1値の抑制を達成できなかった患者198名を対象に実施され、SOM230 LARの投与により、SSAの継続療法と比較して、より優れたGHおよびIGF-1の治療目標値への達成が確認されたという。

具体的には、オクトレオチドLARまたはランレオチドの継続療法でGHおよびIGF-1値の抑制を達成した患者が0%だったのに対して、40mgおよび60mgのSOM230 LARの投与を受けた患者は、それぞれ15.4%と20.0%がGHとIGF-1値の抑制を達成したとしている。

このデータは、第16回欧州内分泌学会議で発表され、今回の試験結果およびすでに発表されている第3相臨床試験データに基づき、先端巨大症に対する同剤の承認申請が世界中で進行している。(浅見園子)

▼外部リンク

ファーマ株式会社 プレスリリース
http://www.novartis.co.jp/news/2014/

 

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