医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 小児線維筋痛症がコエンザイムQ10の欠乏症であることを発見

小児線維筋痛症がコエンザイムQ10の欠乏症であることを発見

読了時間:約 47秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年07月19日 PM08:13

小児も線維筋痛症を発症する

東京工科大学応用生物学部と横浜市立大学医学部小児科の共同研究グループは小児線維筋痛症がコエンザイムQ10の欠乏によって起こることを明らかにした。

(この画像はイメージです)

圧痛点18カ所のうち11カ所で痛みを感じると線維筋痛症と診断され、全身の恒常的な疼痛、慢性疲労、不眠を伴い、女性の発症は男性の約7倍という。最近小児も発症することがわかってきた。発症の原因は不明で根本的な治療法はない。

酸化ストレスの亢進

ミトコンドリア機能不全による筋肉の酸化傷害が重要と考えられていることから、研究グループは線維筋痛症の小児患者の血漿酸化ストレスマーカーを測定し、検証した。健常小児と比較すると、患者の酸化ストレスマーカーは高かった。さらに血液中のコレステロール濃度が高く、コエンザイムQ10が少ないことが発見された。

そこでコエンザイムQ10を投与したところ、高コレステロール血症が改善し、疲労度の軽減も認められた。酸化ストレスの亢進が明らかになったことで、今後抗酸化物質による治療が期待できる。特にコエンザイムQ10の欠乏症である点、同物質の投与でコレステロール代謝と疲労度が改善した点が注目される。(馬野鈴草)

▼外部リンク

東京工科大学プレスリリース
http://www.teu.ac.jp/

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • OTULIN関連自己炎症症候群の常染色体顕性遺伝形式発症を確認、世界初-横浜市大ほか
  • 膵がん、線維化形成に関与するタンパク質ROCK2を同定-岡山大ほか
  • EYS関連網膜色素変性に視細胞変性への光暴露が関与、ヒトiPS細胞で解明-理研ほか
  • NGLY1欠損症、オキシトシン治療でモデルマウスのけいれん様症状抑制-理研ほか
  • 汗孔角化症、FDFT1遺伝子のエピゲノム異常が発症に関わることを発見-神戸大ほか