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ADHD治療剤「dasotraline」の薬物乱用傾向評価試験結果を発表-大日本住友製薬

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2016年01月28日 PM12:00

非常習的に中枢神経刺激薬使用する48人を対象に

大日本住友製薬株式会社は1月26日、米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インクが、注意欠如・多動症()・過食性障害()を対象にした後期臨床試験を実施中の「」(一般名、開発コード:SEP-225289)の薬物乱用傾向を評価した第1相臨床試験結果が「Drug&Alcohol Dependence」のオンライン版に掲載されたと発表した。なお、同誌冊子版にも掲載される予定。

dasotralineは、サノビオン社の自社開発品であり、ドパミンおよびノルエピネフリンの再取り込みを阻害する新規のDNRI。半減期は47時間から77時間と長く、24時間の投与間隔で持続的な治療効果が得られることが期待されている。現在、成人および小児のADHDならびに成人のBEDを対象に臨床試験を実施している。

第1相臨床試験は、中枢神経系に影響を及ぼす薬剤の乱用傾向を評価するために実施。ランダム化、二重盲検、ダブルダミー、6期クロスオーバー試験で、非常習的に中枢神経刺激薬を使用している健常成人48人を対象に、同剤8mg、16mgおよび36mgの単回投与における乱用傾向について、プラセボならびにメチルフェニデート40mgおよび80mgと比較した。

薬物乱用傾向評価、メチルフェニデートと比べて有意に低く

薬力学的効果は、投与前から投与72時間にわたって、薬物嗜好の視覚的評価尺度(Drug Liking Visual Analog Scale)を用いて評価され、このうち最大効果発現時(Emax)におけるDrug Liking VASスコアを主要評価項目とした。

臨床結果によると、メチルフェニデート40mgおよび80mgにおけるDrug Liking VASスコアは、同剤8mg(P<0.001)、16mg(P<0.001)および36mg(P<0.01)と比較し有意に高いことが示された。同剤8mgおよび16mgにおける副次評価項目では、プラセボとの間に有意差は認めらなかった。また、同剤36mgは、副次評価項目のひとつであるOverall Drug Liking(Emin)VASにおいてプラセボおよびメチルフェニデートと比較し統計学的に有意に薬物嗜好性が低いことが示された。なお、メチルフェニデート40mgおよび80mgの最大効果が、プラセボと比較して有意に高かったことから、同試験の評価方法と対象集団が薬物乱用傾向の評価に適切であったことが確認された。

同剤8mgおよび16mgでは、総じて良好な忍容性が示され、両用量における有害事象の発現率は、両用量における不眠および同剤16mgにおける頭痛を除きプラセボと同程度だった。想定される治療用量を超える同剤36mgならびにメチルフェニデート40mgおよび80mgにおいては、有害事象の高い発現率が観察された。

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