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抗PD-L1抗体テセントリク、切除不能な進行・再発NSCLCの適応で発売−中外製薬

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2018年04月20日 PM12:30

T細胞による腫瘍細胞への攻撃を促進

中外製薬株式会社は4月18日、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果として今年1月19日に製造販売承認を取得した抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体「テセントリク(R)点滴静注1,200mg」(一般名:(遺伝子組換え))の発売を開始したと発表した。

テセントリクは、腫瘍細胞または腫瘍浸潤免疫細胞に発現するタンパク質であるPD-L1を標的とする免疫チェックポイント阻害剤。PD-L1は、T細胞の表面上に見られるPD-1、B7.1の双方と結合しT細胞の働きを阻害する。テセントリクはこの結合を阻害しT細胞の抑制状態を解除することで、T細胞による腫瘍細胞への攻撃を促進すると考えられている。

その他複数のがんへのP3試験も実施中

日本において、肺がんの年間罹患者数は約12万8,700人(男性8万6,700人、女性4万2,000人、2017年予測値)と推計されている。また、国内の年間死亡者数は約7万8,000人(男性5万5,600人、女性2万2,400人、2017年予測値)で、がんによる死亡原因の第1位(女性は2位)となっている。

テセントリクは、米国を含む50か国以上で、化学療法の治療歴がある転移性非小細胞肺がんならびにシスプラチンベースの化学療法の治療歴がある、もしくはシスプラチンベースの化学療法が不適格な局所進行または転移性尿路上皮がんに対する承認を得ている。国内では、非小細胞肺がんを対象とした複数の臨床試験を実施しているほか、テセントリク単剤・他剤との併用による評価を行っている。さらに、小細胞肺がん、乳がん、、腎細胞がんを対象としたP3試験を実施している。(大場真代)

 

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