医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > レムデシビル、中等度・重度の新型コロナ(COVID-19)対象P3試験を開始-ギリアド

レムデシビル、中等度・重度の新型コロナ(COVID-19)対象P3試験を開始-ギリアド

読了時間:約 1分30秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2020年04月15日 AM11:30

2件のP3試験から成るSIMPLE試験、日本でも4月14日より投与開始

ギリアド・サイエンシズ株式会社は4月14日、remdesivirについて、中等度・重度の新型コロナウイルス感染症()患者を対象に安全性と有効性を評価する、2件の国際共同無作為化第3相臨床試験から成る試験プログラム「SIMPLE試験」を、日本の複数の医療機関で実施し、4月14日よりremdesivirの投与が開始されたことを発表した。

SIMPLE試験は、2件の無作為化、非盲検、国際共同第3相臨床試験で構成されるプログラムで、remdesivirの2種類の静脈内投与レジメンの安全性と有効性を評価する。第1段階では、COVID-19陽性が確認された感染拡大国の入院患者約1,000人を対象とする予定だ。

SIMPLE試験プログラムの2件の試験のうち、1番目の試験では、重度のCOVID-19症状を呈する患者を対象に、5日間および10日間のremdesivir静脈内投与レジメンの安全性および有効性を評価する。2番目の試験では、中等度のCOVID-19症状を呈する患者を対象に、標準治療に加えて5日間および10日間のremdesivir静脈内投与レジメンを併用した群の安全性および有効性を、標準治療のみの群と比較して評価する。

開発中の核酸アナログ、抗SARS-CoV-2活性の可能性

remdesivirは、マールブルグウイルス、MERSウイルス、SARSウイルスなど、複数種類の新興感染症病原体に対し、in vitroと動物モデルを用いた試験の両方で広範な抗ウイルス活性が認められている、開発中の核酸アナログ。最近では抗エボラウイルス活性も判明している。

MERSやSARSの原因となるウイルス病原体はコロナウイルスの一種であり、COVID-19の原因となるSARS-CoV-2ウイルスと構造が類似している。このCOVID-19原因ウイルスは新型のため、承認薬がなく、COVID-19治療に関連する臨床試験データもほとんどない。ただし、MERSおよびSARSに対する、remdesivirの非臨床試験では、限られたデータではあるものの、抗SARS-CoV-2活性の可能性が示されているという。

remdesivirは開発中の治験薬であり、世界のいずれの国においても認可・承認されておらず、いずれの適応でもその安全性や有効性は確立されていない。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 全身型重症筋無力症治療薬ヒフデュラ配合皮下注を発売-アルジェニクス
  • バビースモ、網膜色素線条P3試験で主要評価項目達成-中外
  • 婦人科疾患の診断や不妊治療に有用な免疫検査パネルを発売-シスメックスほか
  • 新型コロナの次世代 mRNA ワクチン「コスタイベ筋注用」、国内第Ⅲ相試験で既存オミクロン株対応2価ワクチンに対する優越性検証を達成-Meiji Seika ファルマ
  • SGLT2阻害薬、糖尿病関連腎臓病の進行を抑える新たな仕組みを発見-岡山大ほか