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CTL019、再発・難治性B細胞性ALLの適応でCAR-T医療としてFDAが初承認-スイス・ノバルティス

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2017年09月15日 PM02:00

小児および25歳以下の若年成人の患者で

スイス・ノバルティスファーマ社は8月30日、初めてのキメラ抗原受容体T細胞()医療である「CTL019」(一般名:、海外における製品名:(TM))の静脈注入用懸濁液が、難治性または2回以上の再発を認めるB細胞性急性リンパ芽球性白血病(ALL)の25歳以下の患者を対象に、(FDA)より承認を取得したと発表した。


画像はリリースより

これまで、予後不良な再発・難治性(r/r)B細胞性ALLの一般的な治療法は、化学療法、、標的療法、幹細胞移植など多くあったが、5年生存率は10%未満だった。そのため、これらの患者の転帰を改善する新しい治療選択肢の開発が急務とされてきた。

4-1BB共刺激ドメインをキメラ抗原受容体内に使用

CTL019は新規の免疫細胞医療で、患者自身のT細胞の単回投与により行うがん治療法で、細胞の増殖と維持を増強するために、4-1BB共刺激ドメインをキメラ抗原受容体内に使用している。FDAが初めて承認する遺伝子導入に基づく治療法となる。この新たなアプローチは、ペンシルベニア大学と協働で先駆的に行ったCAR-T細胞医療開発の成果だという。

CTL019は、米国・ニュージャージー州モリスプレーンにあるノバルティス社の施設で、患者自身の自家細胞を使って製造される。同社は、世界規模で、個別化された治療法に対応できる包括的で信頼性の高い製造・供給チェーンの基盤を設計している。このプロセスには、患者から採取した細胞の凍結保存が含まれており、治療を担当する医師や医療機関が個々の患者の状態に基づいて、CTL019の治療を柔軟に開始できるようにしているという。

なお、同社は2017年後半、r/rびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)成人患者を適応としたFDAと欧州医薬品庁(EMA)への申請を含め、米国とEUでCTL019の追加申請を行う計画。米国およびEU以外での申請は2018年を予定している。

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