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【厚労省】ゲノム中核拠点の要件検討-遺伝子パネル検査体制など

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2017年08月28日 AM10:45

厚生労働省は23日、患者の遺伝子情報に基づく癌医療を牽引する中心的な役割を果たす「がんゲノム医療中核拠点病院」の指定要件について、サブワーキンググループで検討を開始した。遺伝子パネル検査の実施体制を持ち、自施設で検査結果の医学的解釈ができる専門家集団がいることや未承認薬の医師主導治験などを実施できる体制など八つの要件案が示された。委員からは、遺伝子パネル検査について「外部の品質保証は必須。ISO認証ぐらいは取得すべき」などの意見が出た。

厚労省は、2017年度中にがんゲノム医療中核拠点病院を指定することにしている。サブワーキンググループでは、6月にまとめられた懇談会報告書をもとに、ゲノム医療を実施する中核拠点に求められる要件を検討する。この日の会合で厚労省は、中核拠点の指定要件案の一つとして、外部機関への委託を含めパネル検査を実施できる体制があること、パネル検査結果の医学的解釈可能な専門家集団を有していることを提示した。

その中で、外部認定を受けた病理検査室、病理医と臨床検査技師の配置などを満たす体制を求め、遺伝子パネル検査の結果を医学的に解釈するための薬物療法に精通した専門医、遺伝医学の専門医、病理医、バイオインフォマティクス研究者など多職種検討会(エキスパートパネル)を定期的に開催できることを挙げた。

委員からは、外部認定について「米国の臨床検査ラボの品質保証基準であるCLIA、米国病理学会認証のCAPを日本でも同じように求めるのは難しい」と米国の認証を求めることには否定的な意見があったものの、「国の拠点となる施設の検査室であれば、ISO認定は取得しておくべき」とISOの取得が望ましいとの声が相次いだ。

そのほかの要件として、手術検体など生体試料を新鮮凍結保存できる体制があること、先進医療、、国際共同治験も含めた臨床試験・治験の実施について適切な体制を備えており、一定の実績があることなどが挙げられた。

検体の凍結保存について委員からは、「保存された組織検体がきちんと取れないことがある」との指摘があり、「DNA、RNAをきちんと保存できているか確認することが必要ではないか」との指摘も出て、標準手順書に沿って組織検体を保存できる施設であることが必要とされた。

今後、サブワーキンググループでは、がんゲノム中核拠点の要件と共に、中核拠点と連携してゲノム医療を提供する「がんゲノム医療連携病院」のあり方について検討を進める予定にしている。

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