医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 特殊環状ペプチド創製で、ペプチドリームと共同研究契約を締結-JCRファーマ

特殊環状ペプチド創製で、ペプチドリームと共同研究契約を締結-JCRファーマ

読了時間:約 1分26秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2016年02月25日 AM06:00

血液脳関門通過を可能とする特殊環状ペプチドの取得目指す

JCRファーマ株式会社は2月22日、ペプチドリーム株式会社と標的タンパク質に対して特殊環状ペプチドを創製する共同研究契約を締結したと発表した。この契約は、ペプチドリームの従来の創薬研究開発契約(国内製薬企業5社、海外製薬企業10社)とは異なり、JCRファーマと共同で血液脳関門(Blood-Brain Barrier:BBB)通過を可能とするキャリアーとしての特殊環状ペプチドの取得を目指すもの。

JCRファーマでは、すでに「J-Brain Cargo(R)」という脳毛細血管の内皮細胞表面に発現している、あるレセプターを介して目的とする物質のBBB通過を実現する技術を開発している。共同研究においては、同社が有するBBB通過技術に関する知見と、ペプチドリーム独自の創薬開発プラットフォームシステムPDPS (Peptide Discovery Platform System)による特殊環状ペプチド創製技術を用いて、BBB通過を可能とするキャリアーとなる特殊環状ペプチドを見出し、BBB通過能を付与したい薬剤にこれを付加することで、新たに脳内での薬効が期待されるとしている。

非臨床及び臨床試験に入る段階で共同開発契約に移行するオプションも

この契約では、各自が共同研究に要する費用をそれぞれ負担することとしており、契約に伴う収益は発生しない。今後、共同研究が順調に進展し、非臨床及び臨床試験に入る段階で共同開発契約に移行するオプションを両社ともに有している。

ペプチドリームは、過去6年間で米国アムジェン社、英国アストラゼネカ社、米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社、第一三共株式会社、杏林製薬株式会社など多くの企業との間で創薬共同研究開発契約を結び、戦略的な共同研究開発を行っている。

JCRファーマは、経営ビジョンとして希少疾病領域の研究開発を掲げており、現在、BBB通過技術「J-Brain Cargo(R)」を利用したハンター症候群治療薬、改変型アルブミンを用いた技術による持続型成長ホルモン製剤などの研究開発を行っている。2月24日には造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病を適応症として、日本初の他家由来細胞を用いた再生医療等製品「テムセル(R)HS注」を発売する予定。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • OTULIN関連自己炎症症候群の常染色体顕性遺伝形式発症を確認、世界初-横浜市大ほか
  • 膵がん、線維化形成に関与するタンパク質ROCK2を同定-岡山大ほか
  • EYS関連網膜色素変性に視細胞変性への光暴露が関与、ヒトiPS細胞で解明-理研ほか
  • NGLY1欠損症、オキシトシン治療でモデルマウスのけいれん様症状抑制-理研ほか
  • 汗孔角化症、FDFT1遺伝子のエピゲノム異常が発症に関わることを発見-神戸大ほか