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OD錠など製剤改良型後発品 認知度はあるも処方は広まらず

読了時間:約 1分29秒
2015年06月11日 AM06:00

薬剤師332名にアンケートを実施

2014年度調剤報酬改定による後発医薬品調剤体制加算の数量割合引き上げなど、後発品の使用促進が図られているが、先発品と比べて製剤面で工夫が施された製剤改良型後発品について、昨年12月の後発品追補収載で発売された降圧薬のカンデサルタン、抗菌薬のレボフロキサシンの製剤改良型後発品に対する薬剤師の認知度は高いものの、現時点では思ったほど処方が進んでいない実態が浮かび上がってきた。一般社団法人・薬局共創未来人財育成機構の塚本由弥子氏が第8回日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会で保険薬局への薬剤師へのアンケート調査結果を報告した。

製剤改良型後発品としてカンデサルタンOD錠「サワイ」、レボフロキサシン粒状錠「モチダ」を対象に、ファーマクラスター株式会社参加の薬局に勤務する薬剤師に対して2015年2月末から3月末にかけてwebアンケートを行い、332人の薬剤師から回答を得た。

この結果、回答した薬剤師の両薬剤に対する認知度は、カンデサルタンOD錠が73%、レボフロキサシン粒状錠が69%と高かったが、調剤経験はカンデサルタンOD錠が8%、レボフロキサシン粒状錠が3%にとどまった。調剤経験が低率だった背景には、2剤の発売から調査時期までの期間が短かったことに加え、「製品改良の利点を患者さんにどう提案するか、患者さんのメリットは何かまで落とし込めていない薬剤師が一部にいた可能性がある」と説明した。

改良型に対する潜在的な患者ニーズは大きいことは確実

また、2剤について普通錠との優位性を10項目にわたって10点満点で評価してもらった結果では、トップ3に「簡易懸濁の簡便さ」(平均でOD錠6.99点、粒状錠6.93点)、「服用性」(同6.42点、6.73点)、「粉砕の簡便さ」(同6.38点、6.20点)となり、薬剤師の業務上の目線が中心の評価となっていた。

塚本氏は「改良型に対する潜在的な患者ニーズは大きいことは確実で、薬剤師は薬学的知見から、アドヒアランスが低下する要因に対して改善を検討する必要がある」と指摘。この結果から「改良型後発品について薬剤師が製剤特性を十分に検討し、患者の身体特性も考慮してよりメリットのある製剤を選ぶことが重要。このことが最終的に患者満足度を向上させると同時に薬剤師の職能への評価を高める一助になる」との見解を示している。

▼外部リンク
日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会

 

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