肥満成人1万7,604例が対象のプラセボ対照試験
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社は3月5日、GLP-1受容体作動薬のセマグルチド(製品名:ウゴービ皮下注、以下、セマグルチド2.4mg)について、心血管アウトカム試験(SELECT試験)の結果に基づき、電子化された添付文書(以下、電子添文)の改訂を行ったと発表した。

今回の改訂は、2023年11月に「The New England Journal of Medicine」に発表されたSELECT試験の結果に基づいている。SELECT試験は心血管疾患(心筋梗塞、脳卒中または末梢動脈疾患)の既往を有し、45歳以上で体格指数(BMI)が27kg/m2
以上の過体重または肥満成人1万7,604例(セマグルチド2.4mg群8,803例(日本人177例)、プラセボ群8,801例(日本人180例))を対象とした試験。主要評価項目である主要心血管イベント(MACE)(心血管死、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中)の最初の発現までの時間の解析において、セマグルチド2.4mg投与群でプラセボと比較して20%の発現リスクの低下がみられ、セマグルチド2.4mgのプラセボに対する優越性が明らかになっていた。
肥満症治療薬として初の心血管イベント発現リスク低下示す
肥満症の治療薬である同製品は、高血圧、脂質異常症または2型糖尿病のいずれかを有し、食事 療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、「BMIが27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する」「BMIが35kg/m2以上」に該当する肥満症に対し承認されている。
同社の開発本部マルチン ジヒマ本部長は次のように述べている。「心血管疾患の既往を有する過体重または肥満とともに生きる人々において、ウゴービ皮下注が肥満症治療薬として初めての心血管イベントの発現リスクを低下させることを示したSELECT試験の結果に基づき、添付文書が改訂されたことを大変嬉しく思う。今後もSELECT試験の質の高い情報提供を通じて医療従事者や肥満症と心血管疾患とともに生きる人々に貢献できることを期待している」。
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・ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 プレスリリース