活動期潰瘍性大腸炎に対する1日1回経口投与のS1P受容体サブタイプ1,4,5調節薬
ファイザー株式会社は6月24日、同日に中等症~重症の潰瘍性大腸炎に対する治療薬として、スフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体サブタイプ1,4,5調節薬「ベルスピティ(R)錠 2mg(一般名:エトラシモドL-アルギニン)」の国内における製造販売承認を取得したと発表した。

潰瘍性大腸炎は、結腸におけるびまん性および連続性の粘膜炎症性病変を特徴とし、寛解と再燃を繰り返す慢性炎症性腸疾患。主な症状として、下痢、腹部けいれん、直腸出血などがあり、しばしば便意切迫およびしぶり腹などの症状を伴う血性下痢(粘血便)もみられる。
ベルスピティは、S1P受容体サブタイプ1、4、5に対して選択的に活性を示すよう設計されたS1P受容体調節薬であり、潰瘍性大腸炎を含む炎症性疾患に対する1日1回の経口投与製剤。同剤は、潰瘍性大腸炎に係る効能・効果で2023年10月に米国で承認されて以降、欧州連合・英国・オーストラリア・シンガポール・スイス・イスラエルなどでも承認されている。
国際共同P3/国内P3試験で、エトラシモドの有効性と安全性を確認
今回の承認取得は、中等症~重症の活動期潰瘍性大腸炎患者を対象とした、国際共同第3相試験(ELEVATE UC 52試験、ELEVATE UC 12試験)および国内第3相試験(ELEVATE UC 40 Japan試験)の結果等に基づくもの。
ELEVATE UC 52試験は、中等症~重症の活動期にある潰瘍性大腸炎患者を対象に、エトラシモド2mgまたはプラセボを1日1回、最長52週間投与し、有効性および安全性を評価した第3相、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験。ELEVATE UC 12試験は、中等症~重症の活動期にある潰瘍性大腸炎患者を対象に、エトラシモド2mgまたはプラセボを1日1回、12週間投与し、有効性および安全性を評価した第3相、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験。エトラシモドは、上記2試験の主要評価項目である12週間および52週間治療後の臨床的寛解率で、プラセボに対する優越性を示した。また、安全性プロファイルも良好だったとしている。
潰瘍性大腸炎患者のQOL向上への貢献に期待
同社は「ベルスピティの承認により、既存治療で効果が十分に得られない活動期の潰瘍性大腸炎患者に、1日1回、固定用量の経口薬という利便性の高い新たな治療選択肢を届けられるようになった。本剤を1日でも早く届け、患者のQOL向上に貢献できるよう、関係各位と連携していく」と、述べている。
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・ファイザー株式会社 プレスリリース