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新規抗がん剤「Lenvima」、甲状腺がんを適応し、世界に先駆け米国で発売-エーザイ

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2015年03月04日 PM04:30

臨床第3相試験で、無増悪生存期間を有意に延長

エーザイ株式会社は3月2日、同社米子会社であるエーザイ・インクが、新規抗がん剤「(R)」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)を米国において新発売したと発表した。適応は、局所再発又は転移性、進行性、放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がん。発売日は現地時間の2月26日で、米国での発売が同剤の世界で初めての発売となった。

同剤は、プラセボを対照とした臨床第3相試験(SELECT試験)において、無増悪生存期間を有意に延長し、高い奏効率を示した。同剤投与群で認められた主な副作用は、高血圧、下痢、疲労・無力症、食欲減退、体重減少。米国においては、優先審査に基づき、今年2月13日に米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得していた。

日本を含む8つの国または地域で承認を申請中

Lenvimaは、エーザイの筑波研究所で創製された新規抗がん剤で、腫瘍血管新生や腫瘍増殖に関わるVEGFR、FGFR、RET、KIT、PDGFRなどに対する選択的阻害活性を有する経口投与可能な分子標的治療薬。特に甲状腺がんの腫瘍血管新生、腫瘍増殖に関与するVEGFR、FGFRおよびRETを同時に阻害する。また、VEGFR2とのX線結晶構造解析から、新たな結合様式(タイプV)を有することが確認された薬剤であり、速度論的解析からは、素早く強力なキナーゼ阻害作用を示すことが確認されている。

同剤は、現在、甲状腺がんに係る適応で、日本、スイス、韓国、カナダ、シンガポール、ロシア、オーストラリア、ブラジルで承認申請中であり、欧州では迅速審査品目に指定されている。また、肝細胞がんを対象としたグローバル臨床第3相試験、腎細胞がん、非小細胞肺がん、子宮内膜がんなど複数のがん腫を対象にした臨床第2相試験が進行中だ。(遠藤るりこ)

▼外部リンク
エーザイ株式会社 ニュースリリース

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