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サノフィ、クロストリジウムワクチンの国内第II相試験を開始

読了時間:約 1分9秒
2013年07月12日 PM01:43

米では優先承認審査品目

サノフィ株式会社(東京都新宿区)は、クロストジリウムワクチンの国内での臨床試験を開始したと、7月9日発表した。

(画像はwikiメディアより引用)
このワクチンは、2010年にFDAから優先承認審査(Fast-track)品目に指定されている。

院内感染の主要原因菌

クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)は、院内感染による偽膜性大腸炎等の下痢症の主要な原因菌である。院内感染は近年増加傾向だが、その制御が難しく、偽膜性大腸炎も治療が困難で致死的な経過をとることもある。現在のところ、クロストリジウム・ディフィシル感染(Clostridium difficile infection1:CDI)を予防するワクチンはない。

サノフィ・グループの世界的ワクチン部門が国内推進

実施するのは、サノフィ・グループのワクチン事業部門であるサノフィパスツール。年間10億回接種分以上のワクチンを全世界5億人以上に提供している。

今回の試験開始にあたっては、サノフィパスツールワクチン事業部長トマ・トリオンフが、「他の先進国と同時に日本へクロストリジウム・ディフィシルワクチンを導入するために、開発段階からの国際開発への参加を目標としていた」と述べている。予防接種制度が先進国とギャップがある日本に対し、ワクチンの効果を国内臨床試験で示し、積極的な導入を推進させたいものと考えられる。

アメリカの統計によると、CDIへの罹患は年齢や抗菌薬投与と密接に関わっており、高齢になるほどリスクが高くなる。この菌は十分な感染制御対策をとっても、環境中からの完全排除が困難であり、再発性も高い。高齢者での致死率も高く、今後国内でもこうしたワクチンへの需要が高まるものと思われる。(長澤 直)

▼外部リンク

サノフィ株式会社プレスリリース
http://www.sanofi.co.jp/

 

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