医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 岡山大学が画期的な骨形成促進に初めて成功

岡山大学が画期的な骨形成促進に初めて成功

読了時間:約 1分6秒
2013年05月29日 PM05:13

『Nanomedicine』(2013;8:1349-60)電子版に掲載

外傷や骨腫瘍により生じた骨欠損や癒合不全の治療では、主に患者の腸骨から骨を採取して移植する「自家骨移植」が行われるが、さまざまな弊害が問題になっている。

(この画像はイメージです)

平成25年5月27日発表によると、、理化学研究所(和光市)の研究グループ(以下、同研究グループ)11名が、進化工学的手法でコラーゲン結合部位(CBD)と融合したBone Morphogenetic Protein (BMP)4を作成(CBD-BMP4)、in vivoで投与部位に長くBMP4を留まらせて骨形成を促進することに成功した。

CBD-BMP4は低用量で骨欠損、癒合不全などの治療に有効となる可能性が期待されている。

足場なしに骨形成を誘導

同研究グループは、通常のBMP4は投与後3日間で局所から消失するのに対し、コラーゲン結合能をもつCBD-BMP4は投与部位に2週間も留まることを証明した。

また、通常BMPはコラーゲンスポンジに染み込ませて投与されるが、同研究グループは、マウス骨髄内および頭蓋骨欠損部にCBD-BMP4を単独投与することで、骨形成遺伝子群の発現増強により有意な骨形成を誘導することに成功した(BMP4と比較で)。

米国では2つのBMP(BMP2とBMP7/OP1)がFDAに認証され、整形外科領域では臨床応用が進んでいる(特にBMP2)。しかし、BMP2を局所に留めることができないので、異所性骨化の問題が報告されている。(佐々木理恵)

▼外部リンク

発表論文
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23630418

岡山大学プレスリリース
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release

TimeLine: ,
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • コロナ感染・重症化リスク、社会的孤立で低減・孤独感で上昇の傾向-都長寿研
  • 1型糖尿病、HLA遺伝子型とインスリン枯渇速度の関連が判明-近大ほか
  • 子宮腺筋症の黄体ホルモン療法、効果予測にMRI画像による評価が有効と判明-東大
  • 近赤外血管と胃カメラ画像など、4種の医療画像を統合解析するAI開発-早大
  • 1型インターフェロノパチー、乾燥ろ紙血を用いた早期診断法を開発-京大ほか
  • あなたは医療関係者ですか?

    いいえはい