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30年ぶりの便秘症新薬、ルビプロストンが発売に

読了時間:約 56秒
2012年12月10日 PM08:13

国内初の慢性便秘症の処方薬

便秘症の新薬、アミティーザ(一般名ルビプロストン)が発売される。慢性便秘症薬としては国内初。便秘で長期間悩む人は多く、一般的には生活習慣の改善指導、薬物治療で対処する。しかし、既存薬の刺激性下剤(センノシドなど)には耐性や習慣性の問題がある。塩類下剤(酸化マグネシウムなど)は血清電解質に影響を及ぼすため腎機能が低下した患者には使えない。

新薬の特徴は自然の排便を促すこと。腹痛がなく、耐性、習慣性がないから長期間の投与が行える点もメリット。がんやヘルニアなどで腸閉塞がある場合、妊娠の可能性がある場合は使用不可、肝臓・腎臓の疾患には注意を要する。副作用の胃腸症状は重症化しない。高い薬価もデメリット。

排便を促す世界初の作用機序

排便を促す過程に独自の作用をもつ。ルビプロストンは局所性活性化物質で、小腸粘膜上皮細胞にあるCIC-2クロライドチャネルを活性化する。クロライドチャネルが開くと浸透圧が生じて、便の水分含有量が増加。柔軟になった便が腸の運動性を高め、排便が促進される。

酸化マグネシウムは大腸内で、同様に浸透圧差で水分を引き出すがマグネシウムを吸収するため高マグネシウム血症を招く。ルビプロストンは腎機能、肝機能が低下すると、代謝が阻害されて薬剤を蓄積し下痢を発症することがある。とはいえ、慢性便秘症の治療で新たな選択肢となることはまちがいない。

▼外部リンク

アボット社プレスリリース
http://www.abbott.co.jp/

 

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