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国民生活センター、デジタル式個人線量計のテスト結果を公表

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2012年05月28日 PM06:00
普及拡大した個人線量計、消費者にとって分かりにくい

独立行政法人国民生活センターが2012年5月24日、デジタル式個人線量計のテスト結果を発表した。

2011年の東京電力福島第一原子力発電所の事故後、国民の放射線被ばくへの関心が高まり、一般的にガイガーカウンターと呼ばれる、放射線測定器の個人購入も増加している。

個人の被ばく線量は、その人が何処にどのくらい滞在していたかによって異なり、正確に測定ができているかを個人が判断することは難しい、そのため、6銘柄を対象に、正確に測定できているかのテストと、その販売広告や取扱説明書等について調査が行われた。

この6銘柄については、一般の市場で個人線量計として販売され、日々の被ばく線量を積算して測定できる機能があり、デジタル表示されるものに絞られている。

個人線量計として販売されているものの中には、個人の被ばく積算線量を把握・管理することを目的としている機器なのか説明されていないものもあり、この調査結果が、今後、放射線測定器の購入時の目安となることも予想される。

6銘柄中3銘柄はJIS規格が許容外の誤差

セシウム137由来のガンマ線照射試験に関しては、全銘柄ともばらつきは小さく、照射した線量に非常に近い積算線量を示す銘柄があった一方で、1000μSvの条件において照射した値に対して、約半分の積算線量を示す銘柄もあった。

さらに、被災地の屋外環境に近い線量率の条件では、照射した線量と正味値のずれが大きくなる銘柄があり、JISの許容する誤差の範囲内に収まるのは3銘柄のみということだ。

販売広告から個人の被ばく線量管理等を目的とした個人線量計であることが全銘柄で確認できたが、個人線量計そのものを知らない消費者にはどのような用途で使用できるかわからない銘柄もあり、消費者へのアドバイスとして、購入前に機器の用途を良く把握し、購入する場合は校正済みの製品であるか、かつ校正定数が示されているか確認する必要があると付け加えた。

また、事業者に対しても、消費者が別の用途の機器と誤解することがないよう、個人線量計であることや、その用途について販売広告等に明記し、取扱説明書等を充実させるよう要望しており、日本国内の製品に関する問い合わせ先や、消費者が購入した後の校正・修理等についてサポートする必要があるとしている。

▼外部リンク

独立行政法人国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120524_1.html

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