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【規制改革推進会議】「HIV検査薬のOTC化を」血糖自己測定は再審議提案

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2025年05月07日 AM10:10

規制改革推進会議健康・医療・介護ワーキンググループが1日に開かれ、一般用検査薬への転用の促進について議論した。、日本臨床検査薬協会は、3月の薬事審議会医療機器・体外診断薬部会で見送りとなった低侵襲性の穿刺血など血液検体を用いた検査薬のOTC化の再審議を求めたほか、NPO法人aktaはHIV自己検査キットの導入を要望した。これに対し、厚生労働省の佐藤大作大臣官房審議官(医薬担当)は「穿刺血は糖尿病で検討していたが、HIVも検討の要素になり得る」と前向きに回答した。

低侵襲性の穿刺血など血液検体を用いた検査薬の一般用検査薬への転用をめぐっては同部会で審議されてきたが、「対象となる使用者の範囲」「使用者側のリテラシー向上」「販売者側の実態」という三つの残された課題が解決されていないとして、スイッチOTC化が見送りとなった。一方、「穿刺血を検体とする血糖自己測定検査薬」は医師の指示がない状態で、医療用検査薬を自己測定医療機器とセットで薬局・ドラッグストアにおいて販売している多くの実績がある。

OTC化する上で課題と指摘されているのは、医療用検査薬をOTC検査薬として販売することになると製造販売企業で一般向け広告ができるようになり、これまでの医療用自己測定検査薬より幅広い人たちが検査薬を求めるようになるという点だ。

磯部総一郎参考人(日本OTC医薬品協会理事長)は「(幅広い人たちが検査薬を求めた場合の)対応の体制が十分できていないのではないかとの指摘が薬事審議会の意見と理解している」と発言。

「薬局・ドラッグストアにおける販売でどのような人たちに販売されているのか、今後OTC化に当たってどのような人たちまで販売の対象にでき得るのか、販売対象の人たちが広がった場合に継続研修の内容をどうしたらいいのかなどを調査研究し、速やかに検査薬のOTC化に関する再審議を求めたい」と語った。

一方、日本エイズ学会理事を務める岩橋恒太参考人(akta理事長)は、「2030年のエイズ流行終結という国際目標の達成に向けて、日本ではHIV検査機会の抜本的な拡充が不可欠」と述べ、HIV自己検査キットの導入を要望した。「日本では自己穿刺血を用いた郵送検査の利用件数が保健所の対面検査を上回っており、1人で簡便に検査したいという強い社会的ニーズが実証されている」と訴えた。

穿刺血を用いた検査のOTC化を求める声が相次ぐ中、国の対応の遅れも指摘された。落合孝文委員(渥美坂井法律事務所・外国法共同事業プロトタイプ政策研究所所長・シニアパートナー弁護士)は、「検査薬のOTC化は6項目だけとほぼ進んでいない。血液を用いた検査薬のOTC化も30年にわたって議論されているが実現されておらず、塩漬けにされている」と厳しく指摘した。

 

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