くすり未来塾は12日、改正医薬品医療機器等法に盛り込まれた医薬品安定供給体制の構築を担保する薬価制度を提言した。この中では、物価・人件費・エネルギー価格の上昇による原価構造の悪化を踏まえ、医療上重要性が高い医薬品については「特別な配慮が必要」だとして「改定後薬価は現行薬価を超えないというルールの撤廃」を求めた。
提言の背景として、医療材料において「やむを得ず原価高騰分を上乗せして、償還価格を上回る価格で販売される製品が見られ、中央社会保険医療協議会でも、価格調査による価格算出結果が改定前の償還価格を超える場合は、その算出結果を改定後の基準材料価格とすること」を業界側が求めた経緯があることを挙げた。
また、不採算再算定について、過半の市場シェアを持つ製品が不採算である場合は、現行要件に関わらず同再算定を適用することを求めた。
未来塾は、今回の改正法について「医薬品安定供給義務を明確化する大きな一歩」と指摘。その上で、医薬品供給が多国間取引であり、原薬調達では安全保障上の問題も絡み、「サプライチェーン全体の問題として捉えられるべき」との認識を示し、それを薬価制度面から検討するべきだとして今回の提言を行った。
そのほか、今回は「高額薬剤問題」にも触れた。明確な提言は行わなかったが、高額薬剤には完治する場合は医療費節減効果も期待でき、「それだけ(高額)をもって医療費増大の主要因と考えるのは正確な理解ではない」と考察した。加えて、インフレ局面において「医療費増大そのものが課題なのかどうか」と問題提起した。