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バダデュスタット、腎性貧血患者対象のP3試験で有効性と安全性を確認-田辺三菱

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2019年03月14日 PM01:00

1日1回の経口投与が可能に

田辺三菱製薬株式会社は3月12日、米アケビア社から導入した低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(Hypoxia Inducible Factor Prolyl Hydroxylase;)阻害薬MT-6548(一般名:Vadadustat:)について、慢性腎臓病に伴う貧血()患者(透析前の保存期および血液透析を実施中の患者)を対象とした2本の国内第3相臨床試験と、血液透析および腹膜透析を実施中の腎性貧血患者を対象とした2本の国内第3相非対照試験において、良好な有効性および安全性を確認したと発表した。

バダデュスタットは、慢性腎臓病による貧血の治療のための経口低酸素誘導因子プロリルヒドロキシラーゼ抑制剤(-PHI)。同剤は、高地での緩やかな酸素濃度の低下時に、人体が自然に適応する際に用いられる低酸素状態の改善と同じメカニズムで働く。つまり、人体は高地における低酸素状態では、HIFの産生を上昇させ、このHIFが鉄の動員とエリスロポエチン産生の相互依存的プロセスを調整することで赤血球の産生を高め、最終的に酸素運搬を改善している。

腎性貧血に対する現在の標準治療は、赤血球造血刺激因子製剤()(注射剤)で、1日1回の経口投与が可能であるMT-6548の開発は、腎性貧血の治療に貢献するものと期待されている。

貧血治療効果を確認、2019年度承認申請へ

透析前の保存期の腎性貧血患者を対象とした試験(J01)は、304名の患者を対象に52週間投与する、ランダム化非盲検実薬対照第3相試験で、24週までの結果が得られた。投与20週および24週の平均ヘモグロビン濃度は、MT-6548群で11.66g/dL(95%信頼区間11.49、11.84g/dL)、ESAのダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)製剤(以下、対照薬)群で11.93g/dL(95%信頼区間11.76、12.10g/dL)だった。MT-6548群の対照薬群に対する平均ヘモグロビン濃度の差は-0.26g/dL(95%信頼区間-0.50、-0.02g/dL)で非劣性マージン-0.75g/dLを上回り、主要評価項目を達成した。MT-6548群における重篤な副作用は認められなかった。

ESAによる治療を受けている血液透析を実施中の腎性貧血患者を対象とした試験(J03)は、323名の患者を対象に52週間投与する、ランダム化二重盲検実薬対照第3相試験で、24週までの結果が得られた(盲検は継続中)。投与20週および24週の平均ヘモグロビン濃度は、MT-6548群で10.61g/dL(95%信頼区間10.45、10.76g/dL)、対照薬群で10.65g/dL(95%信頼区間10.50、10.80g/dL)だった。MT-6548群の対照薬群に対する平均ヘモグロビン濃度の差は-0.05g/dL(95%信頼区間-0.26、0.17g/dL)で非劣性マージン-0.75g/dLを上回り、主要評価項目を達成した。なお、重篤な副作用は認められなかった。

腹膜透析を実施中の腎性貧血患者を対象とした試験(J02)は、42名の患者を対象にした、非盲検非対照第3相試験。投与20週および24週の平均ヘモグロビン濃度は、11.35g/dL(95%信頼区間10.99、11.70g/dL)で、貧血治療効果が認められた。ESAによる治療を受けていない血液透析を実施中の腎性貧血患者を対象とした試験(J04)は、24名の患者を対象にした、非盲検非対照第3相試験。投与20週および24週の平均ヘモグロビン濃度は、10.75 g/dL(95%信頼区間10.35、11.14g/dL)で、貧血治療効果が認められたという。また、J02では重篤な副作用および死亡が心筋虚血により1名(同一患者)に認められたが、J04では重篤な副作用は認められなかった。田辺三菱製薬は、MT-6548を腎性貧血の治療薬として、2019年度に国内で製造販売承認申請を行う予定。また、独占的開発・販売権を有する他のアジア諸国においても、MT-6548の開発を進めていくとしている。

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