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【加藤厚労相が方針】「レムデシビル」特例承認へ-新型コロナで10年ぶり適用

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2020年05月01日 AM10:15


■海外の状況踏まえ判断

加藤勝信厚生労働相は4月28日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症を対象に国際共同治験が行われている米ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「」に対して、通常よりも早期に承認できる「特例承認制度」を適用する方針を示した。新型コロナウイルス感染症が国民の生命に重大な影響を与える疾患と判断した。同制度で承認されれば、2010年の新型インフルエンザに対するワクチン2製品以来となる。ただ、具体的な承認時期については、日本と同水準の承認制度を持つ国の販売状況を踏まえた上で承認したい考えである。

特例承認は、医薬品医療機器等法第14条の3に規定されており、▽国民の生命・健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病の蔓延等を防止するため緊急に使用することが必要で、その医薬品の使用以外に適当な方法がない▽日本と同等の水準にある承認制度を持つ国で販売が認められている――の条件を満たした医薬品について、薬事・食品衛生審議会の意見を聞いた上で、通常よりも迅速に承認することができる。具体的には、臨床試験以外の承認申請書類を承認後に提出可能となる。

日本と同水準の承認制度を持つ国として、英国、フランス、ドイツ、カナダの4カ国を位置づけており、10年には新型インフルエンザ対策として、(GSK)とノバルティスファーマのワクチンを特例承認した。レムデシビルが適用された場合、この2製品以来の特例承認対象品目となる。

ただ、厚労省は、レムデシビルに適用するためには対象国を定めた政令の改正か新設が必要との考えを示している。

加藤氏は、レムデシビルに同制度を適用する考えを示した一方、具体的な承認時期については「海外で販売が認められることが不可欠だ。いくつかの国で検討されていると思うが、その結果を踏まえてからになる」と述べるにとどめた。

レムデシビルの国内承認をめぐっては、4月27日の衆議院本会議で安倍晋三首相が、新型コロナウイルスの収束見通しに関する金田勝年衆院議員(自民党)の質問に対する答弁で「まもなく薬事承認が可能になる」と述べていた。

一方、安倍氏はこの日の衆院本会議で、富士フイルム富山化学の抗インフルエンザウイルス薬「」(一般名:)について、「既に2000例以上の投与が行われ、症状改善に効果があった」と説明した。

その上で、「希望する患者への使用をできる限り拡大すると共に、可能な限り早期の薬事承認を目指すため努力している」と述べた。

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