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開発中のDMD治療薬、医師主導早期探索的臨床試験結果が学術誌に掲載-NCNP

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2018年04月23日 AM11:30

ステロイド剤以外の選択肢となりうる核酸医薬品

国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は4月19日、日本新薬株式会社と開発を進めるデュシェンヌ型筋ジストロフィー()治療薬()の医師主導早期探索的臨床試験の結果が、「Science Translational Medicine」へ掲載されたと発表した。

DMDは男児に発症するもっとも頻度の高い遺伝性筋疾患。ジストロフィンと呼ばれる筋肉の骨組みを作るタンパク質の遺伝子変異により、ジストロフィンが欠損して進行性の筋力低下を来たす。現在、進行を遅らせるステロイド剤以外に有力な治療法は存在しない。

NS-065/NCNP-01はNCNPと日本新薬の共同研究を通して創製されたエクソン・スキップ作用を有する核酸医薬品。ジストロフィン遺伝子のエクソン53スキップに応答する遺伝子変異を有するDMD患者に有効な治療薬として期待されている。エクソン・スキップ治療は、アンチセンスと呼ばれる合成核酸を用いて、遺伝子の転写産物()のうちタンパク質に翻訳される領域(エクソン)の一部を取り除く(スキップする)ことで、アミノ酸読み取り枠のずれを修正する。その結果、正常なジストロフィンタンパク質に比べると一部が短縮するものの、機能を保った同物質の発現が誘導される。

安全性が高く、ジストロフィンタンパク質が有意に増加

同試験はNS-065/NCNP-01をヒトに対して初めて投与した臨床試験。10例のDMD患者を低用量(体重1kgあたり1.25mgの投与量)群に3例、中用量(同、5mg)群に3例、高用量(同、20mg)群に4例ずつ割り当て、同剤を週1回12週間にわたり静脈内投与する、非盲検非対照試験として実施した。患者募集は神経筋疾患患者登録システム(Remudy)も活用し行われた。主要評価項目は安全性、副次評価項目は薬物動態、ジストロフィン発現等の有効性と設定。主な組入れ基準はジストロフィン遺伝子にエクソン53スキップの適用となる変異を有すること、5歳以上18歳未満で原則として歩行不能であることなどが設定された。ジストロフィン発現については、投与期間の前後で筋生検を行い評価した。

その結果、安全性については重篤な有害事象の発生はなく、投与中止例もなかった。有効性については、エクソン53がスキップしてアミノ酸読み取り枠のずれが修正されたジストロフィンのメッセンジャーRNA(mRNA)が用量依存性に検出され、さらに免疫染色で評価したジストロフィンタンパク質については、10名のうち7名において投与前後で有意な増加が認められた。特に高用量群の1例の患者においては、ジストロフィンmRNAのうち、修正されたmRNAの占める割合は投与前の0.3%から47.8%まで増加し、また健常者由来の筋肉と比較したジストロフィンタンパク質の発現量(健常者を100%)は、投与前の0.8%(免疫染色)および0%(ウェスタンブロット)から、それぞれ17.6%および8.1%まで増加した。

以上の結果を受け、日本新薬は2016年1月より国内で第1/2相臨床試験を、また同年3月より米国で第2相臨床試験を開始した。なお、同剤は国内において先駆け審査指定制度の指定を受けている。(横山香織)

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