医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > バーチャル治験プログラム推進へ、Science37との提携拡大-スイス・ノバルティス

バーチャル治験プログラム推進へ、Science37との提携拡大-スイス・ノバルティス

読了時間:約 1分17秒
2018年03月23日 PM12:00

自宅などでも参加できるモデルの確立目指す

スイス・ノバルティス社は3月7日、米Science37社との戦略的提携を拡大し、今後3年間で最大10件の新たな治験を開始すると発表した。これらの治験は、バーチャル治験モデルと従来の治験モデルとを融合させ、徐々に分散化の度合いを高めながら、治験実施施設をほとんど設置せずとも自宅などから治験に参加できるモデルの確立を目指すという。

分散型またはバーチャル治験では、デジタルテクノロジーを活用し、治験参加者の自宅や地方の診療所で治験のすべて、もしくは一部を実施することが可能となる。Science37社が持つ「Network Oriented Research Assistant((R))」を利用したノバルティスの新しい分散型治験モデルは、2018年の後半に米国で開始される皮膚科、神経科学、がんの領域に関する試験において採用される予定。これにより、患者はモバイル機器や遠隔医療サービスを使って治験に参加することができるという。

すでに群発頭痛、にきび、NASHのバーチャル治験は開始

ノバルティスは、これまでもScience37社に投資しており、すでに群発頭痛、にきび、)に関するバーチャル治験を開始している。今回の提携に基づき、両社はScience37社がカスタマイズしたソフトウェアを、ノバルティスの主要な臨床開発プログラムの一部に活用する予定。

Center for Information & Study on Clinical Research Participation(CISCRP)の調査によると、米国では治験の参加条件に該当する患者のうち、わずか2%しか治験に参加していないといわれている。また、治験に参加する患者は6か月間で平均11回も治験実施施設に通院しており、患者と治験実施施設の双方にとって大きな負担となっている。遠隔で治験に参加できるようになることで、より広範なコミュニティからさまざまな社会経済的背景をもつ患者の参加が期待される。

 

同じカテゴリーの記事 医療

  • スマホ認知行動療法を開発、AIによる個別最適化で抑うつ状態改善を促進-京大
  • 骨髄異形成症候群の血小板減少、クリゾチニブが治療薬候補に-東京薬科大
  • 統合失調症、新たな治療標的「α7 nACh受容体」発見-浜松医大
  • 家庭用EMSでのセルフリハビリ、高齢がん患者に有効な可能性-関西医科大ほか
  • ICU入院患者の口腔ケアの有効性を臨床で証明、VAP予防へ-藤田医科大
  • あなたは医療関係者ですか?

    いいえはい