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エリブリン/ペムブロリズマブ併用療法、転移性TNBCでORR26.4%-エーザイ

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2017年12月12日 AM11:30

P1b/2試験のアップデート解析結果

エーザイ株式会社は12月8日、ハリコンドリン系微小管ダイナミクス阻害剤エリブリン(製品名:(R))と米Merck社の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(製品名:(R))の併用療法による転移性トリプルネガティブ乳がんを対象とした臨床第1b/2相試験(ENHANCE1/218試験)のアップデート解析結果を第40回サンアントニオ乳がんシンポジウムで発表したことを公表した。

エリブリンは、新規の作用機序を有するハリコンドリン系の微小管ダイナミクス阻害剤。海洋生物クロイソカイメンから抽出された天然物ハリコンドリンBの全合成類縁化合物であり、微小管の伸長(重合)を阻害・抑制することで、細胞分裂の停止作用を有する。また、最近の非臨床研究において、腫瘍の血流循環の改善、乳がん細胞の上皮細胞化誘導、乳がん細胞の転移・浸潤能の減少など、ユニークな作用を有することが報告されている。

ENHANCE1試験は、がん化学療法未治療あるいは2レジメン以下の前治療歴のある転移性トリプルネガティブ乳がん患者対象に、エリブリンとペムブロリズマブ併用における有効性と安全性を評価する、多施設共同、単群、非盲検の臨床第1b/2相試験。主要評価項目として、第1b相パートで安全性と忍容性、第2相パートで奏効率(ORR)を評価した。

PFSは4.2か月、OSは17.7か月

発表では、2017年5月31日時点で臨床試験に登録された107人中106人の患者に対するアップデート解析について報告。21日を1サイクルとした、エリブリン(1日目と8日目に1.4mg/m2を静脈内投与)およびペムブロリズマブ(1日目に200mgを静脈内投与)の併用療法において、ORRは26.4%(完全奏効3人および部分奏効25人)だった(95%信頼区間:CI=18.3-35.9)。また、化学療法による前治療歴の有無、およびPD-L1発現によるORRの違いは認められず、完全奏効の患者3人中1人はPD-L1陰性だった。

副次評価項目については、無増悪生存期間(PFS)は4.2か月(中央値)(95%CI=4.1-5.6)、全生存期間(OS)は17.7か月(中央値)(95%CI=13.7-評価不能)と、良好な結果が示唆されたという。また、完全奏効および部分奏効を達成した患者28人の奏効期間(DOR)は8.3か月(中央値)だった。

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