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米Sagent社を株式公開買付けで完全子会社化-日医工

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2016年07月13日 PM01:00

1株あたり21.75米ドルの現金を対価として

日医工株式会社は7月11日、米Sagent Pharmaceuticals, Incとの間で買収契約(Merger Agreement)を締結したと発表した。発行済みの全普通株式を1株あたり21.75米ドル(買付価格)の現金を対価として買い取る。

株式公開買付けおよびそれに続く現金を対価とする合併の実施により、日医工がSagent社を買収する。発行済であるSagent社の株式で、同公開買付への応募がなされなかった株式は、普通株式1株あたり21.75米ドルの支払いを現金で受け取る権利に転換されるという。

日医工は、米国に同社の100%子会社として設立した買収目的子会社Shepard Vision Inc.(公開買付者)を通じた同公開買付け、およびそれに続くSagent社を存続会社とする公開買付者とSagent社の吸収合併を実施することにより、Sagent社を完全子会社にする。

日医工およびSagent社の両取締役会は同買収をすでに承認。同買収の実行には、米国独占禁止法に基づく条件の充足その他一般的な前提条件の充足が必要となる。また、資金調達は同買収が成立するための条件とはなっていない。買収は、2017年3月期第2四半期に完了する見込みとしている。

「開発力」の拡大へ向けた重要なステップ

日医工は、中期経営計画において、「シェアUP力」「供給能力」「開拓力」の3つの戦略を掲げ、世界のジェネリックメーカートップ10入りを支える企業基盤構築を推進。「シェアUP力」では日本国内のジェネリック医薬品市場内で15%シェアを確立すること、「供給能力」では超品質に基づく185億錠供給体制を確立すること、「開拓力」ではバイオシミラー・米国市場へ参入することを目指している。

今回の買収は、米国市場におけるジェネリック医薬品市場参入のプラットフォームの確保、および注射剤領域におけるプレゼンスの確立を通じた同社の「開発力」の拡大へ向けた重要なステップであり、同社の中長期的な企業価値向上のための重要な取り組みと位置付けられている。

Sagent社は、米国でジェネリック注射剤を販売している企業で、病院や共同購買組織などの市場アクセスを有しており、55製品のラインナップがある。カナダに子会社があり、利益率向上のために自社工場を建設中。開発パイプラインは米国FDA申請中または開発中の98製品を予定している。

買付期間は、Sagent社との契約締結の7月11日から15営業日以内に開始される予定で、開始後最短で20営業日で終了する。特定の状況下で買付条件が充足されない場合は、買付期間を延長することになるが、2017年1月31日を越えて期間延長を義務付けられることはない。

 

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