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がんの10年相対生存率初公表、部位ごとに差あり-国がん

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2016年01月22日 PM03:00

1999~2002年に診断治療行った3万5,000症例を集計

国立がん研究センターは1月20日、国がんの研究開発費に基づく研究班「わが国におけるがん登録の整備に関する研究」と全国がん(成人病)センター協議会()の協力のもと、加盟施設での診断治療症例について部位別10年相対生存率を初集計し、全がん協ホームページで公開した。国内でこの規模でがんの10年相対生存率が公表されるのは初めてで、集計により長期的ながん種別予後の傾向が示されたとしている。


画像はリリースより

10年相対生存率の集計では、1999年から2002年に診断治療を行った全国16施設の3万5,287症例について全症例と手術症例の10年生存率を部位別に算出した。

その結果、全部位全臨床病期の10年相対生存率は58.2%だった。これを部位別に見ると、最も生存率が高いのは甲状腺の90.9%で、70%以上90%未満だったのが前立腺(84.4%)、子宮体(83.1%)、(80.4%)、子宮頸(73.6%)など。大腸がん(69.8%)、(69.0%)、腎(62.8%)、卵巣(51.7%)などは50%以上70%未満、肺(33.2%)などは30%以上50%未満で、食道(29.7%)、胆のう胆道(19.7%)、肝(15.3%)、膵(4.9%)などは30%未満と低い数値となっている。

肺6.3ポイント、乳8.3ポイント、16.9ポイントの差

これまでも公開されている5年相対生存率の最新症例も公表された。これは2004年から2007年に診断治療を行った全国32施設の14万7,345症例を集計したもの。

5年相対生存率と10年相対生存率を部位別に比べると、胃、大腸はそれぞれ1.9ポイント、2.3ポイントと大差なかったが、肺は6.3ポイント、乳は8.3ポイント、肝臓は16.9ポイントの差があり、5年経過した後も低下していくことが明らかとなった。

全部位全臨床病期の5年相対生存率は68.8%で、1997年の62.0%から徐々に改善している傾向にあり、国がんでは、化学療法、放射線治療や早期発見技術の進歩によるものと考えられるとしている。

 

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