医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 慶大 pHの生体内測定の簡便化に成功

慶大 pHの生体内測定の簡便化に成功

読了時間:約 1分1秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年11月29日 PM06:00

針状ダイヤモンド電極を使い、胃のpHをリアルタイムで測定

慶應義塾大学理工学部の栄長泰明教授らは、同大学医学部の佐谷秀行教授らと共同で、針状に加工した導電性のダイヤモンドを電極として用いることで、胃内部の水素イオン濃度指数であるpHをリアルタイムで測定することに成功したと発表した。

(画像はイメージです)

研究の背景

pHの変化は、生体内のさまざまな生理学的状態や病理学的症状に影響を及ぼす。特に腫瘍組織でのpHの変化は、腫瘍細胞の代謝の状態を反映することから、pHのリアルタイムモニタリングの有用性が期待されている。しかし、従来のガラス電極にはさまざまな問題点があるため、生体にやさしく・迅速に高感度でpH を測定できる全く新しいモニタリング方法が求められていた。

患者にやさしく、さまざまな生体組織の測定に使用できるモニター法

研究グループは、ダイヤモンド電極を針状に加工し、直接胃の粘膜内に挿入することで、簡便・迅速に生体組織内でのpHを測定する方法を開発した。これにより、胃酸の状態に関連する症状を持つ、胃炎・胃がん・胃酸過多・逆流性食道炎などの患者に対して、リアルタイムでそのpHをモニターすることが可能になるという。

また今後は、胃に限らず食道や十二指腸をはじめ、さまざまな生体組織におけるpHモニターに使用することも期待される。さらに、ワイヤレスのデータ取得システムと組み合わせることにより、従来の電極では不可能だった「カテーテルに依存しない」患者にやさしいpHモニター法への展開が期待できる。(鈴木ミホ)

▼外部リンク

慶應義塾大学 プレスリリース
http://www.keio.ac.jp/ja/press_release

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • OTULIN関連自己炎症症候群の常染色体顕性遺伝形式発症を確認、世界初-横浜市大ほか
  • 膵がん、線維化形成に関与するタンパク質ROCK2を同定-岡山大ほか
  • EYS関連網膜色素変性に視細胞変性への光暴露が関与、ヒトiPS細胞で解明-理研ほか
  • NGLY1欠損症、オキシトシン治療でモデルマウスのけいれん様症状抑制-理研ほか
  • 汗孔角化症、FDFT1遺伝子のエピゲノム異常が発症に関わることを発見-神戸大ほか