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ぜんそく患者、自己負担無料の助成制度に存続の危機 東京都

読了時間:約 1分1秒
2012年10月29日 PM02:00
成人ぜんそく患者への助成制度

東京都には、成人のぜんそく患者への助成制度「大気汚染医療費助成制度」がある。18歳以上の非喫煙者を対象とした制度で、認定を受ければ自己負担料無料で診療を受けられる。

(この写真はイメージです)

これは、2008年8月に東京大気汚染訴訟で原告が勝ち取ったもの。被告になった東京都、国、7社の自動車メーカー、首都高速道路が拠出している。しかし今、この助成制度が存続の危機に瀕していると毎日新聞が報じた。

元々、この制度は開始から5年後、つまり2013年8月に見直すことが決まっており、その際に期間を延長するか否かなどの決定をする予定だ。しかし、費用全体の約3分の1を負担している国が制度の延長に否定的だという。

ぜんそくと排ガスの関係

ぜんそくの日本での患者数は235万人(平成8年 厚生省長期慢性疾患総合研究事業報告「喘息に関する研究」より)、世界には3億人の患者がいる。その発症方法について、18万人の幼児、小学生、成人における自動車排ガスとぜんそくの因果関係を調ベたところ、小学生にのみ、排ガスを吸い込んだ量が多いほどぜんそくの発症率が高いという結果が出た。

これを受け、原告弁護団副団長の西村隆雄弁護士、また患者達は、大気汚染が一定基準を超えた全地域で対策が必要であり、国が救済制度を作る責任があると主張。

しかし一方で、小学生以外の幼児、成人の中では因果関係が認められなかったことから、環境省は排ガスがぜんそくを引き起こと要因とは言えないと主張しており、制度の存続には消極的だ。

▼外部リンク

東京都 大気汚染医療費助成制度
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kankyo/

 

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