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アンチカリン技術基盤を活用した呼吸器疾患吸入治療薬の開発で提携-英Pieris社と英AZ

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2017年05月17日 PM02:15

」を第1相臨床試験に移行へ

英アストラゼネカ社は5月15日、英Pieris Pharmaceuticals, Inc.と呼吸器疾患における戦略的提携を締結し、Pieris社が保有するアンチカリン(R)技術基盤を活用した新規吸入薬の開発を進めることを発表した。

アストラゼネカ社は、すべての臨床開発・その後の商業化プログラムに出資し、Pieris社は米国での第2a相試験以降の共同開発ならびに共同商業化のオプション権を保持する。加えて、呼吸器疾患における非公開の4種の新規アンチカリン化合物の研究を進めるために連携していくという。Pieris社は、同社の前臨床段階にある第一候補物質である「PRS-060」を、2017年中に第1相臨床試験に移行させる予定だ。

中等度から重度の喘息の治療薬として開発中

人工タンパクであるアンチカリン化合物は、他のタンパクもしくは低分子化合物に結合することで抗体に似た機能を発揮する。PRS-060は、抗インターロイキン-4受容体α(IL-4Rα)アンチカリン。既存の治療薬では完全にコントロール出来ない中等度から重度の喘息の治療薬として開発されている。

Th2系は、多くの喘息患者に重要な役割を果たすことが知られている。IL-4・IL-13はTh2系の喘息に関わる主要サイトカインで、どちらも介入ポイントであるIL-4Rα受容体サブユニットを経由して信号を送る。PRS-060が典型的な抗体を用いた治療アプローチと異なるのは、肺に直接到達することができる吸入送薬であるという点であり、肺疾患の生物学的ドライバーを標的とする能力を高める可能性があるという。

なお、今回の戦略的提携を締結により、アストラゼネカ社はPieris社に対して契約一時金および短期マイルストーンとして5750万ドルを支払う。Pieris社は、全ての製品に関して開発関連マイルストーンおよび最終的な商業的な支払いを、21億ドルを超えない範囲で受領する可能性を保持している。さらにPieris社は、アストラゼネカ社によって商業化されるすべての製品の売上に対する段階的なロイヤリティを受領する可能性を保持している。

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