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タグリッソ、ペメトレキセド併用標準的化学療法との比較でPFSを5.7か月延長−英AZ

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2016年12月13日 PM02:00

T790M変異陽性NSCLCにおいて

英国のアストラゼネカ社は12月6日、(一般名:)として初の無作為化第3相試験「AURA3試験」のデータを発表した。この結果は国際肺癌学会主催の「第17回世界肺癌会議」(オーストリア・ウィーン)で発表され、「The New England Journal of Medicine」オンライン版にも掲載されている。

AURA3試験は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬()よる治療後に病勢が進行した局所進行あるいは転移性EGFR T790M変異陽性非小細胞肺がん()患者419例を対象とし、タグリッソ80mg1日1回投与の有効性および安全性を、プラチナ製剤ベースの2剤併用化学療法(プラチナ製剤とペメトレキセドの併用)と比較検討した。同試験は、米国、カナダ、欧州、中国、日本、韓国、台湾およびオーストラリアの施設を含む世界130を超える施設において実施された。

データでは、タグリッソがプラチナ製剤・ペメトレキセド併用標準的化学療法と比較して統計学的に有意なPFSの延長を示した(10.1か月対4.4か月、ハザード比[HR]0.30;95%信頼区間(CI):0.23,0.41;p値<0.001)。ベースラインで中枢神経系転移を有する34%の患者において、PFSに関してもタグリッソはプラチナ製剤とペメトレキセドによる化学療法に比べて有意な延長を示したとしている(8.5か月対4.2か月、HR0.32;85%CI:0.21,0.49)。

患者の半数近くがEGFR変異を有すると考えられる中国で迅速審査中

AURA3試験におけるタグリッソの安全性データは、過去のタグリッソ使用経験と合致。グレード3以上の薬剤関連有害事象はタグリッソ投与群の6%(16例)、プラチナ製剤・ペメトレキセド併用化学療法投与群の34%(46例)において報告された。タグリッソ群で最もよくみられた薬剤関連AEsは、下痢(全グレード41%;グレード3以上1%)、発疹(全グレード34%;グレード3以上1%)、化学療法群においては悪心(全グレード49%;グレード3以上4%)および食欲減退(全グレード36%;グレード3以上3%)だった。

タグリッソは、2015年11月にFDAにより、FDAが承認した検査方法によってEGFR-TKIによる治療後に病勢進行したEGFR T790M変異陽性NSCLCの治療薬として迅速承認を付与されている。2016年2月にはEMAにより、EGFR-TKIによる前治療の有無にかかわらず、局所進行または転移EGFR T790M変異陽性NSCLCの成人患者に対する治療薬として、条件付き販売承認を付与された。

日本においては、2016年3月に、EGFR-TKIに抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発NSCLC患者の治療薬として承認されており(現在組織検査のみが承認)、同剤は現在、肺がん患者の半数近くがEGFR変異を有すると考えられている中国において迅速審査中だ。

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