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新規抗悪性腫瘍剤LONSURF、英NICEが転移性の結腸・直腸がん治療薬で使用推奨-大鵬薬品

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2016年09月01日 PM12:30

英NHSでの使用を推奨する最終ガイダンスを公表

大鵬薬品工業株式会社は8月30日、同社が創製・開発し、ライセンス契約のもと、仏のセルヴィエ社に欧州・その他地域(北米・日本/アジアを除く)での開発および商業化の権利を許諾している新規の経口ヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤「(R)」(日本での製品名:(R)配合錠T15・T20、一般名:)について、英国国立医療技術評価機構(NICE)が、英国国民健康保険(NHS)での使用を推奨するとの最終ガイダンスを公表したと発表した。

結腸・直腸がんは、英国および欧州において2番目に死亡数の多いがんとされている。2012年には欧州で21万5,000人が結腸・直腸がんで死亡し、うち1万6,200人が英国の患者だった。英国では新規の結腸・直腸がん患者が2013年に約4万1,100人と報告。また、英国で4番目に患者数の多いがんであり(2013年)、男性の14人中1人、女性の19人中1人が生涯のうちに結腸・直腸がんの診断を受けるとされている。

さらに、結腸・直腸がん患者の約25%において、初回診断時に遠隔転移が確認され、約50%が遠隔転移を起こすとされている。早期のステージの段階で診断された場合は、10人中9人以上が5年以上生存するが、末期のステージで診断された場合は、5年以上生存するのは10人中1人以下とされている。

今年4月にECが承認、英国でセルヴィエUKが販売

同剤は、トリフルリジン(FTD)とチピラシル塩酸塩(TPI)を配合することにより、薬剤の効果を維持できるよう設計した経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤で、フルオロピリミジンとは異なる作用機序を有している。FTDはDNAの複製時にチミジンの代わりにDNA鎖に取り込まれ、DNAの機能障害を引き起こして抗腫瘍効果を発揮すると推測されている。TPIはFTDの分解に関与するチミジンホスホリラーゼ(TP)を阻害し、FTDの血中濃度を維持する。日本では「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」の適応症で大鵬薬品が販売している。

また、2015年6月、大鵬薬品とセルヴィエ社は同剤の開発および商業化に関するライセンス契約を締結しており、同契約に基づき、セルヴィエ社は欧州・その他地域で同剤の開発と商業化を推進。今年4月に欧州委員会(EC)より承認を取得した後、欧州各国での発売に向けて現在手続きが進められている。なお、適応症は「フルオロピリミジン療法、オキサリプラチン療法、イリノテカン療法や抗VEGF抗体療法、および抗EGFR抗体療法を含む既存治療の施行後、またはこれらの治療法が適応とならない、転移性の成人の結腸・直腸がん」。英国での販売は、セルヴィエ社の現地子会社であるセルヴィエUKが行うとしている。

セルヴィエ社とのパートナーシップを通じて、同剤が結腸・直腸がん治療の新たな選択肢として世界の患者と医療従事者に貢献する薬剤になることを期待すると、大鵬薬品は述べている。

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