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IPF治療薬「オフェブ」、幅広い患者背景において有効性裏付けられる-独ベーリンガー

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2016年05月24日 PM01:00

IPFの国際治療ガイドラインに加えられた低分子チロシンキナーゼ阻害剤

ドイツのベーリンガーインゲルハイム社は5月16日、(IPF)における「(R)」(一般名:)の有効性および安全性プロファイルを裏付ける新たな解析結果を米国胸部学会2016年度年次会議(ATS 2016)で発表した。

IPFは死亡率の高い致死的な肺疾患で、患者は世界全体で300万人いると言われている。肺組織の進行性の瘢痕化や線維化、呼吸困難をもたらし、主要臓器に十分な酸素が行き渡らなくなる。これは、時間の経過と共に瘢痕化によって組織が肥厚し、硬くなることで、酸素を取り込んで血液に送り出す肺の機能が失われるため。その結果、IPF患者には息切れ、咳が起こり、時には日常の身体活動にも支障をきたすようになる。

今回解析結果が発表されたオフェブは、IPFの治療を目的としてベーリンガーインゲルハイムが開発した低分子チロシンキナーゼ阻害剤()。肺線維症の発現機序への関与が示唆されている増殖因子受容体、特に血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、繊維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)および血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)を標的とする。線維化進展プロセスに関わるシグナル伝達経路を遮断することで呼吸機能の低下を抑制し、IPFの病勢進行を遅らせると考えられている。2015年に同剤は、IPFの国際治療ガイドライン最新版に加えられている。

FVCで定義した幅広い患者で一貫した病勢進行の低下がみとめられる

ベーリンガーはATSにおいて、合計12のIPF関連アブストラクトを発表。その中の第3相INPULSIS(R)試験の新たな解析結果において、オフェブは、52週間の呼吸機能の低下(FVCの10%以上の絶対的低下)または死亡で定義される病勢進行のリスクについて、有意に40%低下するデータを示した。(オフェブ27.1% vs. プラセボ41.4%、p<0.0001)また、ベースラインのFVCで定義した幅広い患者背景の患者全体で一貫した病勢進行の低下がみられたという。

さらに、6,700人の患者の実臨床データを含む、米国の製造販売後調査の1年間のデータは、主要な治験で観察されたものと一貫。新たな安全性の懸念や予期せぬ安全性シグナルは認められず、同剤の安全性プロファイルがさらに裏付けられたとしている。

これまですでに世界中で1万人以上の患者がオフェブを服用しているが、ベーリンガーは今後も、治験プログラムと実際の医療現場における同剤の継続的な研究を通じて、IPFへの理解を深めていきたいとしている。(横山香織)

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