厚生労働省医政局の2024年度概算要求は、前年度比10.4%増の1972億2400万円を計上した。後発品の生産効率化に向け、メーカーや業界団体への調査事業を新たに実施するほか、産官学連携で国際競争力のある治験環境の整備を検討する。
後発品関連では、新たに5400万円を計上し、生産効率化促進のための調査事業を実施する。具体的には、メーカーの製造販売品目、製造能力、製造の委受託状況、生産効率化のための整備投資事例等について、業界団体やメーカーにヒアリングを行うと共に、後発品の生産効率化促進における課題整理、施策の具体的検討も行う。
国内に医薬品を安定的に供給するため、新たに「医薬品供給リスク等調査および分析事業」として、8100万円を計上。俯瞰的な供給リスクの分析・対策・監視を継続すると共に、緊急事態発生時の供給調整等に活用可能な、リスクシナリオに基づく対応手順や役割分担を検討する。
海外依存度の高い原薬等についても、1300万円を充て、供給リスクの低減に取り組む製薬企業等を支援する補助事業も行う。
薬価調査で収集している薬価改定の基礎資料となる各種情報について、効率的で安定的な情報収集を実現するため、システム化を含めた調査実施手段の変更、一部情報の代替手段による収集といった今後の対応方針を検討する調査事業を行う。同事業はデジタル庁の予算として、4500万円を充てる。
治験の国際競争力強化に向け、産官学連携で治験環境を整備する事業には1000万円を充てる。
治験の迅速化・効率化のためのデジタル技術に関する規制要件の変更、実施手法の開発などの課題解決に向けた方策を議論するため、第三者の立場で会議運営を行う事務局を設置する。
医療ベンチャー育成支援事業には4億3700万円を充てるほか、バイオシミラーの普及目標達成に向けたバイオ医薬品の製造技術を持つ人材の育成に3000万円、バイオ後続品の普及促進のための総合対策について目標の達成状況、普及促進の取り組みのモニタリングなどに6000万円を計上した。