医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > オミクロン株に対する新型コロナ治療薬の効果を培養細胞で一斉検証-東大医科研ほか

オミクロン株に対する新型コロナ治療薬の効果を培養細胞で一斉検証-東大医科研ほか

読了時間:約 1分36秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2022年01月28日 AM10:45

各種抗体薬と抗ウイルス薬の感染・増殖阻害能を培養細胞系で比較

東京大学医科学研究所は1月27日、新型コロナウイルス感染症()の治療薬が、オミクロン株の培養細胞における感染や増殖を阻害するかどうかを解析したと発表した。この研究は、同研究所ウイルス感染部門の河岡義裕特任教授らの研究グループが、、国立感染症研究所、、米国ウィスコンシン大学との共同研究として行ったもの。研究成果は、「New England Journal of Medicine」のオンライン速報版に掲載されている。


画像はリリースより

2021年末に新型コロナウイルスの新たな変異株・オミクロン株が出現し、それ以降、同変異株の感染者が世界各国で爆発的に増加している。国内では、カシリビマブ・イムデビマブやソトロビマブなどの抗体薬、あるいはレムデシビルやモルヌピラビルなどの抗ウイルス薬がCOVID-19に対する治療薬として承認を受けている。しかし、これらの治療薬がオミクロン株に対して有効なのかどうか明らかにされていなかった。そこで研究グループは、オミクロン株に対する治療薬の効果を調べた。

抗体薬「・シルガビマブ」「ソトロビマブ」は感染を阻害

はじめに、4種類の抗体薬(バムラニビマブ・エテセビマブ、カシリビマブ・イムデビマブ、チキサゲビマブ・シルガビマブ、ソトロビマブ)がオミクロン株の培養細胞への感染を阻害するかどうか()を調べた。その結果、バムラニビマブ・エテセビマブとカシリビマブ・イムデビマブのオミクロン株に対する中和活性は、著しく低いことがわかった。それに対して、チキサゲビマブ・シルガビマブとソトロビマブは、オミクロン株に対して中和活性を維持していることが判明した。

」「モルヌピラビル」は増殖を抑制

続いて、オミクロン株に対する2種類の抗ウイルス薬(レムデシビル、モルヌピラビル)の効果を解析した。結果、いずれの薬剤も培養細胞におけるオミクロン株の増殖を抑制することがわかった。

研究グループは引き続き、COVID-19治療薬がオミクロン株の増殖を効果的に抑制するかどうかを、COVID-19の動物モデルを用いて検証する予定だとしている。また、「今回の研究を通して得られた成果は、医療現場における適切なCOVID-19治療薬の選択に役立つだけでなく、オミクロン株のリスク評価など行政機関が今後の新型コロナウイルス感染症対策計画を策定、実施する上で、重要な情報となる」と、述べている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 自閉症で「友人を記憶する能力低下」が起こるメカニズムの一端を解明-東大ほか
  • 拡張型心筋症、クローン性造血で予後増悪すると判明-東大病院ほか
  • アトピー性皮膚炎乳児、ナッツ類を含む離乳食の早期摂取を評価-成育医療センター
  • 脳卒中後疼痛、痛みの性質でリハ予後が異なる可能性-畿央大
  • 凍結受精卵を男性に無断で女性が使用、その背景を裁判例等から整理-阪大