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スペソリマブ、急性期膿疱性乾癬P2試験で症状を有意に改善-独ベーリンガー

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2021年12月27日 AM11:30

IL-36R阻害の新規ヒト化選択的抗体、PPPやHSなどの治療薬としても研究中

独ベーリンガーインゲルハイムは12月23日、開発中のスペソリマブについて、急性期膿疱性乾癬(汎発型)(GPP:Generalized Pustular Psoriasis)対象ピボタル第2相Effisayil(TM)1試験の新たなデータがニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌(NEJM)に掲載されたことを発表した。

GPPは、尋常性乾癬とは区別される生命を脅かす恐れのある希少な難治性皮膚疾患。この病気は、痛みを伴う無菌性膿疱が広範囲に汎発することが特徴だ。GPPの急性期症状を、迅速かつ完全に解消する治療薬に対する高いアンメットニーズが存在する。急性期症状は、クオリティオブライフに重大な影響を及ぼし、心不全、腎不全、敗血症などの生命にかかわる合併症による入院につながる。

スペソリマブは、GPPを含む複数の自己免疫疾患の病因に関連するインターロイキン36受容体(IL-36R)の作用を阻害する新規ヒト化選択的抗体。検出力のある無作為化プラセボ対照試験で、急性期GPPの治療として評価されたIL-36経路を特異的に標的とするファーストインクラスの化合物だ。同剤は、急性期GPPの発生を予防する維持療法薬として、(PPP)や化膿性汗腺炎(HS)などの他の好中球性皮膚疾患の治療薬としても研究が進められている。

1週目時点で膿疱なし達成の患者割合、プラセボ群6%、スペソリマブ群54%

今回発表されたEffisayil1(NCT03782792)試験は、12週間にわたり、急性期GPP患者(N=53)をスペソリマブ900mgの静脈内投与群またはプラセボ群のどちらかに2:1の比率で無作為に割り付けて評価した第2相臨床試験。主要評価項目は、1週目の時点でGPP Physician Global Assessment(GPPGA)膿疱サブスコアが0であること、つまり、膿疱が見られないことだった。主な副次的評価項目は、1週目の時点でGPPGAスコアが0または1であること、つまり、皮膚症状が消失またはほぼ消失だった。

同試験の結果、1週目の時点で、膿疱なし(GPPGAスコアが0)を達成した患者の割合は、プラセボ群の6%(18人中1人)に対し、スペソリマブ群で54%(35人中19人)(P<0.001)。皮膚症状が消失またはほぼ消失(GPPGAスコアが0または1)を達成した患者の割合は、プラセボ群の11%(18人中2人)に対し、スペソリマブ群で43%(35人中15人)だった(P=0.024)。

皮膚症状の消失が達成されたと共に、プラセボと比較して、クオリティオブライフと痛みや疲労感などの症状も臨床的に有意に改善したとしている。

1週間後に有害事象を報告した患者の割合は、スペソリマブ群で66%、プラセボ群で56%だった。感染症を報告した患者の割合は、スペソリマブ群で17%、プラセボ群で6%。重篤な有害事象は、スペソリマブ群の6%で報告された。

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