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デュルバルマブ、PD-L1高発現NSCLC対象に臨床的に意味のある死亡リスク低減-英AZ

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2018年05月01日 AM11:30

2レジメン以上の治療を受けた局所進行もしくは転移NSCLC対象のP3試験

英アストラゼネカ社と同社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門のメディミューンは4月24日、前治療として少なくとも2レジメンの治療を受けた局所進行もしくは転移非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とする第3相ARCTIC試験の結果概要を発表した。詳細データは、今後の学会で発表予定。

第3相ARCTIC試験は、無作為化、非盲検、多施設、第3相国際共同試験。PD-L1高発現NSCLC患者を対象にデュルバルマブ単剤療法の有効性および安全性を標準的な治療である化学療法(SoC)と比較検討したサブスタディAと、PD-L1低発現・陰性NSCLC患者を対象に、デュルバルマブとトレメリムマブの併用療法、デュルバルマブ単剤療法およびトレメリムマブ単剤療法の有効性および安全性を標準的なSoCと比較検討したサブスタディBの2つのサブスタディを含む。

サブスタディBにおいて、PD-L1低発現・陰性NSCLC患者に対するデュルバルマブとトレメリムマブの併用療法は、SoCとの比較で、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)について、統計学的有意および臨床的に意味のある延長は認められなかったという。サブスタディBの単剤療法群の臨床効果および安全性は過去に発表されたデータと一貫していたとしている。

また、サブスタディAは統計学的有意差を検証できる設定ではなかったという。しかし、デュルバルマブ単剤療法は、SoCに比べ、臨床的に意味のある死亡リスクの低減を示したとしている。

PD-L1とPD-1およびCD80の相互作用を阻害するデュルバルマブ

デュルバルマブは、PD-L1に結合し、PD-L1とPD-1およびCD80の相互作用を阻害するヒトモノクローナル抗体。腫瘍の免疫からの逃避機構が働かないよう作用し、免疫反応を誘発する。2018年2月、同剤は、プラチナ製剤を用いた根治的同時化学放射線療法(CRT)後に病勢進行が認められなかった切除不能ステージIII非小細胞肺がん(NSCLC)患者の治療薬として米国食品医薬品局()の承認を取得。また、プラチナ製剤を含む化学療法後病勢が進行した、あるいは、外科手術前(術前補助療法)もしくは外科手術後(術後補助療法後)にプラチナ製剤を含む化学療法を受けてから12か月以内に病勢が進行した局所進行あるいは転移尿路上皮がんの治療薬として米国で迅速承認を取得している。日本においては、未承認。

トレメリムマブは、細胞傷害性T-リンパ球抗原4()の活性を標的とする開発中の新薬候補であるヒトモノクローナル抗体。CTLA-4の作用を阻害し、T細胞の活性化に寄与し、がんに対する免疫反応を増強する。同剤はデュルバルマブとの併用療法で、NSCLC、局所進行または転移尿路上皮がん、頭頸部がん、肝臓がんおよび血液がんにおける広範な臨床試験プログラムにおいて検討中。

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