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エサキセレノン、糖尿病性腎症対象のP3試験を開始-第一三共

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2017年09月27日 PM12:30

透析導入の原疾患の中で最も多い糖尿病性腎症

第一三共株式会社は9月25日、ミネラロコルチコイド受容体ブロッカー(MRB)「」(CS-3150)について、糖尿病性腎症患者対象の国内第3相臨床試験「ESAX-DN試験」を開始したと発表した。

糖尿病性腎症は、透析導入の原疾患の中では43.7%と最も多い割合を占めており(2015年)、積極的な治療が必要とされている。治療としては、糖尿病に対する治療をはじめ、血圧や脂質の管理が推奨され、レニン・アンジオテンシン()系阻害薬による薬物療法が推奨されている。しかし、治療満足度および薬剤の貢献度は低く、さらなる治療薬が望まれている。

また、糖尿病性腎症は、病態が進展すると透析移行のリスクが高まり、症状の改善や進展抑制が見込めない患者層が多くなる。また、心血管イベントの発現率も高いことからも、早期段階からの有効な治療薬が望まれており、早期の糖尿病性腎症に対して評価指標のアルブミン尿を減少または正常化させることが、腎機能の低下速度を抑制し心血管イベントの発現を抑制することが報告されている。

腎組織の保護作用を示す非ステロイド型選択的MRB

エサキセレノンは、米Exelixis社との共同研究で見出され、第一三共が単独で開発した非ステロイド型選択的MRB。腎臓の組織に存在するミネラロコルチコイド受容体に作用して、障害作用を及ぼすアルドステロンの結合を阻害することで、腎組織の保護作用を示すと考えられている。アンジオテンシンII受容体拮抗薬()またはアンジオテンシン変換酵素()阻害薬が投与されている微量アルブミン尿を有する2型糖尿病患者対象に国内で実施されたプラセボ対照二重盲検後期第2相臨床試験では、エサキセレノン投与群でプラセボ投与群よりも統計的に有意なアルブミン尿減少効果が認められたという。

今回開始されたESAX-DN試験は、ARBまたはACE阻害薬が投与されている微量アルブミン尿を有する2型糖尿病患者400名を対象に、エサキセレノンの有効性および安全性を検証するプラセボ対照二重盲検比較試験だ。

なお、第一三共とExelixis社は、2006年3月、エサキセレノンを含む化合物群に関する共同研究契約を締結しており、第一三共は全世界での開発および、商業化に関する独占的権利を有している。

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