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融合タンパク質の特許取得、副作用少ない抗がん剤への応用に期待-東京工科大

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2016年02月19日 PM02:00

体内での安定性向上した「

東京工科大学は2月17日、バイオベンチャー企業の株式会社NRLファーマとの共同研究により、体内での安定性を向上させたヒトラクトフェリンFc融合タンパク質の特許を取得したことを発表した。


画像はリリースより

同大学によると、乳などに含まれるラクトフェリン()は抗腫瘍、抗炎症、抗酸化など様々な生理活性を示すタンパク質として知られている。すでにウシ由来のLFはサプリメントとして使用されており、多くの健康増進作用が報告されている。

一般にタンパク質医薬品は、体内での安定性が低く、十分な薬効が得られないという問題があったが、この問題を解決する手法として、タンパク質医薬品を抗体の一部であるIgG Fcと融合させる技術がすでに知られており、実際に臨床で使用されている。しかし、この技術では、免疫において外敵を排除する機能を持つ抗体の一部を使用することから、免疫細胞の活性化を介して副作用をもたらすとされている。

抗原性低いため、注射剤として使用しやすく

研究では、副作用をもたらす可能性のある免疫細胞の活性化を消失させる目的で、ヒト抗体の一部の配列を欠失させたIgG Fcを作製。これを用いたヒトLFとの融合タンパク質の作製に成功した。この融合タンパク質は血中での安定性が大幅に向上し、副作用となる免疫細胞の活性化を示さないことが確認された。

今回の特許は、この技術を使って作製したヒトラクトフェリンFc融合タンパク質が認められたもの。これにより、体内での安定性を向上させて増強した薬効と、副作用の少ない優れた安全性を持つ医薬品開発が期待される。

例えば、従来の抗がん剤はその副作用が知られているが、LFは抗腫瘍作用に加え、抗炎症や鎮痛作用を有することから、副作用となる各種炎症反応やガン疼痛を緩和できる抗がん剤として望まれる。さらに今回開発したヒトラクトフェリンFc融合タンパク質は、ヒト由来であるため抗原性が低く、注射剤としても使用しやすく、サプリメントのような経口摂取と比較して高い効果が見込まれる。同大学では、今後、動物実験などによりさらなる薬効や安全性を確認していくとともに、連携して開発を進める製薬企業の開拓などを進めていくとしている。

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