医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > サノフィ 新規基礎インスリン「HOE901-U300」の製造販売承認を申請

サノフィ 新規基礎インスリン「HOE901-U300」の製造販売承認を申請

読了時間:約 1分30秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2014年08月06日 PM03:00

「ランタス」と同等の血糖コントロールを達成

サノフィ株式会社は7月29日、同社が開発中の新規基礎インスリンである持効型溶解インスリン グラルギン「HOE901-(遺伝子組換え注射剤、300U/mL)」(以下「」)について、同日付で厚生労働省に対して製造販売承認申請を行ったと発表した。


この画像はイメージです

申請は、日本人の1型および2型糖尿病患者を対象に実施した、U300の有効性と安全性を検証するEDITION JP IおよびJP II試験を中心とした6つの第3相試験からなるEDITIONプログラムの結果に基づいて行われたという。同プログラムには、約3,500人の患者が参加した。

EDITION JP I試験およびEDITION JP II試験では、U300が持効型インスリン「ランタス(R)( グラルギン(遺伝子組換え)注射剤、100U/mL)」(以下「ランタス」)と比較して、同等の血糖コントロールを達成することが確認されたほか、夜間低血糖および1日の低血糖の発現率が一貫して低いことが示されたという。また、体重増加も小さいという結果が得られたとしている。

使い捨てタイプのキット製剤を販売予定

U300は、ランタスの有効成分であるインスリン グラルギンをベースとした新規インスリン製剤。投与部位からの吸収がよりゆるやかで、ランタスと比べても、さらに平坦かつ持続的な血中濃度および血糖降下作用の推移を示すものと期待されている。

サノフィは、使い捨てタイプのキット製剤を販売する予定で、投与量の設定方法などは既存のインスリンキット製剤(ランタス注ソロスター等)と同様となる見込みとしている。なおU300は、現時点では世界のいずれの地域でも未承認、未認可の段階にある。

糖尿病においては、個々の患者の病態にあわせ細やかな治療を行っていくことが求められる。経口剤から注射剤まで、幅広い治療選択肢が存在するが、インスリン治療も有効な選択肢であることに変わりはない。

しかし、インスリン治療中の糖尿病患者において、血糖管理目標を達成できているのは、半数以下であるとの報告もある。同社は、U300はランタスと比べて注射液量が少なく、1日を通じ一貫して低血糖を抑えられるなど、メリットが大きく、こうした血糖管理におけるアンメットメディカルニーズに応えるものであり、より効果的な新規基礎インスリンとなる可能性があるとしている。(紫音 裕)

▼外部リンク
サノフィ株式会社 プレスリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • ヒフデュラ、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎で適応追加申請-アルジェニクス
  • アレセンサ、ALK陽性早期非小細胞肺がん初の術後補助療法でFDA承認-中外
  • 全身型重症筋無力症治療薬ヒフデュラ配合皮下注を発売-アルジェニクス
  • バビースモ、網膜色素線条P3試験で主要評価項目達成-中外
  • 婦人科疾患の診断や不妊治療に有用な免疫検査パネルを発売-シスメックスほか