医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 岡山大 異なる種類のがん幹細胞をiPS細胞から作成できることを証明

岡山大 異なる種類のがん幹細胞をiPS細胞から作成できることを証明

読了時間:約 52秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2014年07月16日 PM02:00

マウスiPS細胞で世界初の発見・証明

岡山大学大学院 自然科学研究科ナノバイオシステム分子設計学研究室の妹尾昌治教授らの研究グループは7月7日、中国および米国の研究者らと共同で、がん細胞の分泌する小胞がiPS細胞をがん幹細胞へ誘導することを、世界で初めて発見したと発表した。


画像はプレスリリースより

この研究結果は、がん細胞の培養液中に存在する小胞に、iPS細胞をがん幹細胞へ誘導する物質が含まれることを示したものであり、異なる種類のがん幹細胞をiPS細胞から作り出せることを証明した。なお、この研究成果は7月5日、専門誌「Journal of Cancer」に公開された。

人為的に多種多様ながん幹細胞を調製、個別化医療での活用などへの期待も

研究グループでは、今回のマウスiPS細胞における発見と成功から、iPS細胞を使って性質の異なる多種多様ながん幹細胞をあらかじめ人為的に調製し、それらを標準品として用いて、がん患者の組織内で同様な細胞の有無を調べるといった、これまでにない診断アプローチが可能となるとしている。

こうした新たなアプローチを応用することで、将来における画期的な個別化医療の実現につながる可能性があるほか、多くのがん幹細胞を準備して、制がん剤をスクリーニングする「がん幹細胞パネル」などに応用することも考えられるなど、幅広い面での活用が期待されている。(紫音 裕)

▼外部リンク
岡山大学 プレスリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 先天性難聴の頻度や原因、15万人の出生児で大規模疫学調査-信州大
  • 骨再生作用/抗炎症効果を兼ね備えた新たな生体活性ガラスを開発-東北大
  • 脳卒中患者の物体把持動作に「感覚フィードバック」が重要と判明-畿央大ほか
  • 肝線維化の治療薬候補を同定、iPS細胞から誘導の肝星細胞で-東大ほか
  • 「ストレス造血時」における造血幹細胞の代謝調節を解明-東北大ほか