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岡山大研究グループ CCN2の関節軟骨の老化防止作用を確認

読了時間:約 1分23秒
2013年10月03日 PM08:28

世界初の証明で米「PLOS One」に掲載

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科口腔生化学分野の滝川正春教授、服部高子助教らの研究グループは、CCN2/CTGFを軟骨特異的に過剰発現するトランスジェニックマウスを用い、関節軟骨の老化防止作用を突き止めたと発表した。9月25日、同大学より正式に発表されたほか、この研究成果は米オンライン科学雑誌「PLOS One」に掲載されている。

研究グループは、これまでにもCCNタンパク質・遺伝子ファミリーの1つであるCCN2に関し、組織再生作用があると確認、報告を行ってきていた。今回の研究では、CCN2に関節軟骨の老化防止作用があることを、世界で初めて明らかにしている。

なお、ここでいうCCN2は、肥大軟骨細胞特異的遺伝子産物24(HCS-24)、結合組織成長因子(CTGF)と同一の分子で、現在CCN2とその名称が統一されているもののことである。

(Author:Intermedichbo 画像はwikiメディアより引用 参考イメージ)

老化に伴う変形性関節症の予防、新規治療薬にも期待

研究グループは、まず、このCCN2を軟骨特異的に過剰発現するトランスジェニックマウスを作成。このマウスで長管骨が伸長することを確認し、CCN2が内軟骨性骨形成促進因子であることを突き止め、2013年3月に発表していた。

そして今回、このトランスジェニックマウスを老齢化するまで飼育し、その関節軟骨の状態を調べたところ、老化に伴う自然発症型の変形性関節症が全く見られない、若々しい関節軟骨であることを見出したという。

老化などに伴う変形性関節症は、関節痛や運動障害を引き起こす、老齢人口での罹患率の高い疾患となっており、社会的にも大きな問題となっている疾患だ。今回の研究結果は、CCN2がこの変形性関節症の発症を予防できることを示しているとしている。また、CCN2が変形性関節症の治療薬における新たな標的となる可能性を示唆しており、新薬開発への応用も期待されるといえるだろう。(紫音 裕)

▼外部リンク

岡山大学 プレスリリース
http://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/soumu-pdf/

PLoS ONE 研究発表論文
http://www.plosone.org/article/

 

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