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子宮摘出術においてロボット支援子宮摘出術は腹腔鏡に勝るのか

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2013年02月25日 AM09:13

ダ・ヴィンチ・サージカル・システム

近年、ロボット技術を使用した手術方法が子宮摘出術に使われるケースが急増している。しかし、20日に医学専門誌JAMAに掲載された研究は、このロボット技術のコストパフォーマンスや長所・短所を再考すべきとした。

2000年以降、アメリカ全体の1370の病院が、150から220万体の手術用ロボット「ダ・ヴィンチ・サージカル・システム」を購入し、設置した。「ダ・ヴィンチ」ロボットは、子宮摘出術の他に、前立腺、胆嚢、心臓血管など、様々な手術の使用に適している。

(Wikipediaより引用)

子宮摘出術の手術方法を比較

コロンビア大学の研究者たちは、2007年から2010年の間に、アメリカの441カ所の病院で、子宮筋腫、子宮内膜症、月経に伴う大量出血など、ガン以外の子宮摘出術を受けた女性患者、264758人の記録を調査した。

子宮摘出術の手術方法は、従来の開腹手術、「ダ・ヴィンチ」を使ったロボット支援子宮摘出術、腹腔鏡、膣式開腹の4種類に分けられる。この期間に、ロボット支援子宮摘出術は全体で0.5%からほぼ10%まで、「ダ・ヴィンチ」が設置されている病院に限っては22%まで急増した。

従来の開腹手術に比べれば、「ダ・ヴィンチ」、腹腔鏡ともに、術後の回復が早く、合併症の発生率もともに約5%であることから、2つの手術方法は同じ結果をもたらす。

しかし、一方の腹腔鏡が平均6679ドルかかるのに対して、もう一方の「ダ・ヴィンチ」は平均コストが8868ドルにまで上る。病院にとっては、最新の技術をマーケティングの「ツール」として生かしたいところだろうが、患者にとっては、同じ術後結果が予想されるなら2200ドルの差は大きすぎるだろう。(長谷川優喜)

▼外部リンク

:Robotically Assisted vs Laparoscopic Hysterectomy Among Women With Benign Gynecologic DiseasePrevalence of Robotically Assisted Hysterectomy
http://jama.jamanetwork.com/

Wall Street Journal:Study Raises Doubts Over Robotic Surgery
http://online.wsj.com/

USA Today:Robot-assisted hysterectomies booming, but better?
http://www.usatoday.com/

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