医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 味の素 アミノ酸シスチンとテアニンががん支持療法に有用と発表

味の素 アミノ酸シスチンとテアニンががん支持療法に有用と発表

読了時間:約 1分10秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2014年09月26日 AM11:00

化学療法時の副作用軽減効果を確認

味の素株式会社は9月1日、同社が研究支援を行っている仙台オープン病院の土屋誉医学博士ら研究グループによって、アミノ酸の一種であるシスチンとテアニンの摂取により、がん化学療法時の副作用を軽減する効果ならびに抗がん剤治療の完遂率を有意に改善することを確認したと発表した。この研究成果は、8月28~30日に横浜で行われた第52回日本癌治療学会でも発表された。


この画像はイメージです

がんの治療において、抗がん剤による治療は、粘膜上皮が障害を受け、口内炎、下痢、消化管障害などの副作用が発生する課題がある。これら副作用により抗がん剤の投与量の減少や投与中止のリスクがあり、期待する効果が得られないこともある。

食欲不振、下痢を抑制、規定用量の完遂率を上昇

これまでの研究により、アミノ酸シスチンとテアニンの摂取によって、生体内で抗酸化作用や免疫調節作用を持つグルタチオンを増加すること、そしてアミノ酸シスチンとテアニンの摂取は強い運動負荷時の免疫抑制の改善、風邪症状の抑制や周術期の過剰な炎症を抑制することが明らかになっている。

そこで土屋博士らのグループは、胃がん、大腸がんの根治手術を受けた後の補助化学療法として、(一般名:テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)」を服用する症例を対象とした臨床試験を実施。化学療法開始1週間前から化学療法終了までの5週間にわたり、アミノ酸シスチン700mgとテアニン280mgを1日1回摂取することにより、食欲不振、下痢を有意に抑制し、規定用量の完遂率を有意に上昇させることを確認したという。

同社のプレスリリースでは、

がん治療による副作用に対しては、支持療法の確立が求められていますが、今回の成果によりアミノ酸シスチンとテアニンの摂取はその有望な候補と考えられます。

と述べられている。(

▼外部リンク
味の素株式会社 プレスリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • OTULIN関連自己炎症症候群の常染色体顕性遺伝形式発症を確認、世界初-横浜市大ほか
  • 膵がん、線維化形成に関与するタンパク質ROCK2を同定-岡山大ほか
  • EYS関連網膜色素変性に視細胞変性への光暴露が関与、ヒトiPS細胞で解明-理研ほか
  • NGLY1欠損症、オキシトシン治療でモデルマウスのけいれん様症状抑制-理研ほか
  • 汗孔角化症、FDFT1遺伝子のエピゲノム異常が発症に関わることを発見-神戸大ほか