医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 近畿大 細胞が接着しにくい新性質のコラーゲンを開発

近畿大 細胞が接着しにくい新性質のコラーゲンを開発

読了時間:約 1分4秒
2014年05月20日 PM06:30

従来のコラーゲンに特別処理

近畿大学は5月12日、同大生物理工学部遺伝子工学科 分子情報解析学研究室の森本康一教授が新田ゼラチン株式会社との共同研究により、新しい性質を持つコラーゲン材料を開発したと発表した。


画像はプレスリリースより

この新性質のコラーゲンは、これまで一般的に使用されてきたコラーゲン(1型コラーゲン)に特別な処理を施すことで開発に成功したもので、現在特許出願中としている。

同研究の成果は、5月14日から16日にかけて行われたBIOtech2014アカデミックフォーラムにて発表されており、森本教授による口頭発表も行われた。

新たな再生医療用の材料として期待

今回開発された新性質のコラーゲンは、これまで研究試薬や医療品として使用されてきた1型コラーゲンの両端にあるアミノ酸を少し減らす処理が施されているという。これにより線維化が遅くなり、1型コラーゲンと比較してゲルになりにくいことが確認されたという。

このコラーゲンは従来のものと比較し、細胞が接着しにくい性質をより有することに加え、培養の土台に使うと培養細胞が自発的に集まり、骨芽細胞への分化がより促進されることが特長。将来的には今回のコラーゲンは再生医療分野での新しい細胞培養材として期待されることが同研究のポイントとしている。

今後は、新しい機能のメカニズム解明などに焦点を当てて研究を進めていくという。また、将来的には再生医療で必要とされる“近畿大学発バイオマテリアル”(骨補填剤など)の創製を視野に入れている。さらに、コラーゲンの品質試験や安全性試験を実施して、研究用試薬としての可能性を探るとしている。(伊藤海)

▼外部リンク

近畿大学 ニュースリリース
http://www.kindai.ac.jp/topics/2014/05/

 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 1型インターフェロノパチー、乾燥ろ紙血を用いた早期診断法を開発-京大ほか
  • 家族性アルツハイマー病、「ブロモクリプチン」のP2/3試験を開始-東和薬品ほか
  • 炎症性腸疾患のベドリズマブ治療、5-ASA併用しても再燃率ほぼ変わらず-大阪公立大
  • 希少がん、日本独自の新分類策定で全がんの2割占めると判明-国がん
  • 膵頭十二指腸切除術、手術の安全性を高める新たな適応指針を開発-富山大
  • あなたは医療関係者ですか?

    いいえはい