医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 熊本大 脂肪肝や肥満の憎悪因子を発見

熊本大 脂肪肝や肥満の憎悪因子を発見

読了時間:約 56秒
2014年04月12日 PM12:00

たんぱく質の一種であるSIRT7

熊本大学は4月2日、同大学大学院生命科学研究部(医学系)の山懸和也教授と吉澤達也講師らが、・肥満の憎悪因子「SIRT7」を発見し、そのメカニズムについて解明したと発表した。

(画像はプレスリリースより)

SIRT7は、加齢やストレス、代謝などを抑制するサーチュインと呼ばれるたんぱく質の一種。山懸教授・吉澤講師らは、このSIRT7遺伝子をなくしたマウスに高脂肪食を与え続けると、通常のマウスに比べて肥満や糖尿病の程度が軽度であること、脂肪肝が明らかに抑制されることを見いだしたという。

また、SIRT7が機能しないマウスにおいては、肝細胞の脂肪の取り込みや貯蔵を制御している転写因子であるTR4のタンパク質量低下により、脂肪肝が起こりにくくなっているという新規の分子メカニズムも解明したとしている。

効果的な新薬開発へ

超高齢化社会を迎えて、代謝異常症が引き起こされる原因や仕組みを解明することは、医学的・社会的に重要な問題である。しかし、その分子機構については不明な点が多く残されており、今回の研究成果についてプレスリリースでは

今回の研究成果から、SIRT7の働きを抑制することが、脂肪肝や肥満・糖尿病の効果的な新しい治療薬の開発につながるものと期待されます。(熊本大学 プレスリリースより引用)

と述べられている。(小林 周)

▼外部リンク

熊本大学 プレスリリース
http://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/kouhou/press

関連ワード: ,
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 肢帯性筋ジストロフィーR1、カルパイン3による発症機構の一端を解明-都医学研
  • 閉鎖空間での長期共同生活で、仕事とプライベートの境目が曖昧に-筑波大
  • 高IgE症候群、原因遺伝子IL6STの新規変異を日本人で同定-広島大ほか
  • 乳がん、多剤耐性に有効・副作用回避の新規治療薬候補を開発-兵庫医大ほか
  • 子宮頸がん細胞診にスマホ活用、リアルタイムAI診断システム開発-浜松医大
  • あなたは医療関係者ですか?

    いいえはい