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セムブリックス、新作用機序による副作用の少なさがCML治療継続の鍵に-ノバルティス

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2022年05月20日 PM05:00

前治療薬に抵抗性の慢性骨髄性白血病にも有効

2022年4月19日、ノバルティス ファーマ株式会社は国内初の新作用機序「STAMP阻害作用」を持つ「セムブリックス(R)錠20 mg、同40mg」(一般名:アシミニブ塩酸塩)の製造販売承認取得に際して記者発表会を開催した。


国立がん研究センター東病院血液腫瘍科 
南陽介科長

分子標的治療薬であるチロシンキナーゼ阻害剤 (以下、TKI)が2001年に登場し、治療成績は大幅に向上した慢性骨髄性白血病(CML)だが、抵抗性や副作用、合併症の観点から治療を継続できないケースが課題となっていた。

国立がん研究センター東病院血液腫瘍科の南陽介科長は、今回の承認の根拠となった国際共同第Ⅲ相検証試験であるASCEMBL試験より、セムブリックス(R)のボスチニブ(第2世代TKI)に対する優越性とともに、副作用により治療を中止した患者の割合がボスチニブ群と比較し3分の1未満であったデータなどを紹介し、副作用の少なさが治療継続につながったことを強調した。

セムブリックスは、既存のTKIと異なり、アロステリック部位のミリストイルポケットに特異的に結合することで、既治療薬での効果が低下した患者に対しても効果を示すと考えられている。

治療中の患者の9割が副作用の「困りごと」抱える

CML患者・家族の会「いずみの会」の代表を務める田村英人氏は、「“病気の進行を防ぐ”ことから、“完治”が治療目標になってきた」と話し、そのためには副作用の管理が不可欠であることを指摘。治療中の患者の9割が副作用に関する困りごとを抱えているといういずみの会の調査結果を踏まえ、副作用そのものの負担はもちろんのこと、検査データをもとに対処を考える医療従事者と、症状をもとに訴える患者とで副作用に対する認識のずれが生じている実態を話した。


「いずみの会」代表・田村英人氏

南科長は「セムブリックスは保険認可6剤目となる薬剤だが、いまだにすべての患者さんにQOLを含めて満足してもらっているわけではない現状がある。いかに安全に治療を継続するか。それには副作用の少なさは重要」と述べ、これまでのTKI治療に抵抗性または不耐容であった患者にとって、セムブリックスが新しい治療選択肢となることへの期待をにじませた。(QLifePro編集部)

 

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