医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > AAVベクター遺伝子治療マニュアル作成-成育医療センターとNCNP

AAVベクター遺伝子治療マニュアル作成-成育医療センターとNCNP

読了時間:約 1分5秒
2020年12月10日 AM11:30

カルタヘナ法の規定には細かい対応方法の記載がない

(NCCHD)は12月9日、医療機関におけるアデノ随伴ウイルス()ベクターの具体的な取扱いに関する考え方や対応を示したマニュアルを国立精神・神経医療研究センター(NCNP)と共同で作成したと発表した。これは、NCCHD遺伝子細胞治療推進センターの小野寺雅史氏、中國正祥氏、NCNPトランスレーショナル・メディカルセンターの小牧宏文氏、石塚量見氏、NCNP病院の本橋裕子氏、安藤菜甫子氏らのグループによるもの。同マニュアルは、関連リンクに記載のプレスリリースよりダウンロード可能だ。


画像はリリースより

遺伝子治療で用いられるウイルスベクターは、カルタヘナ法の遺伝子組換え生物等に該当し、医療機関では、環境中に拡散しないような対応、体制整備などが求められている。しかし、カルタヘナ法の規程では細かい対応方法までは定められていない。

AAVベクター取扱いの具体的対応方法が示された国内初の医療機関向けマニュアル

AAVベクターは、病原性が低く、体内に直接遺伝子を投与するin vivo法に多く利用される。神経・筋疾患をはじめ、網膜疾患や血友病などのさまざまな疾患に対する遺伝子治療で臨床開発が進んでいる。

今回作成されたマニュアルには、医療機関において遺伝子治療を安全かつ適切に実施できるよう、具体的な対応方法や考え方が示されており、こういったマニュアル作成は国内初の試みとなった。医療機関ごとにリソースや環境が異なるため、各施設で全ての内容が適用できるとは限らないが、遺伝子治療を取り入れたいと考える医療機関にとって、その準備や実施に役立つことが期待される。

 

同じカテゴリーの記事 医療

  • アキレス腱損傷、腱の再生に重要なPI3K-Aktシグナル発見-岐阜大ほか
  • 心不全、高齢患者でCKMオーバーラップと身体機能・長期予後の関連を解明-順大ほか
  • 「糖尿病性心筋症」の発症に、アミノ酸代謝が関与していることを発見-神戸大ほか
  • 高齢者の認知・身体機能低下、予期せぬ透析開始リスクに影響-科学大ほか
  • 遺伝性角化症の「魚鱗癬」「道化師様」など廃止へ、国際病名を改訂-名大ほか
  • あなたは医療関係者ですか?

    いいえはい