医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > 1日1回投与の「ゼルヤンツ徐放性製剤」、新薬承認申請をFDAが受理-米ファイザー

1日1回投与の「ゼルヤンツ徐放性製剤」、新薬承認申請をFDAが受理-米ファイザー

読了時間:約 1分29秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年07月14日 PM12:15

MTXで効果不十分な中等度から重度の関節リウマチを適応として

米国のファイザー社は7月2日、(MTX)で効果不十分な中等度から重度の関節リウマチ患者の治療を適応とする1日1回投与の「(R)11mg徐放性製剤」(一般名:トファシチニブ クエン酸塩)の新薬承認申請(NDA)が米国食品医薬品局(FDA)により受理されたことを発表した。FDAはこのNDAに関し、処方せん薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく目標期限を2016年2月にしたという。

ゼルヤンツは、関節リウマチ治療において世界で初めて開発されたJAK(Janus Kinase:ヤヌスキナーゼ)阻害剤。経口投与でありながらも、IL-6をはじめとしたサイトカインの細胞内シグナル伝達を抑制することで関節リウマチの疾患活動性、関節破壊の進展を抑制し、身体機能を改善すると考えられている。中等度から重度の関節リウマチの治療薬として、世界40か国で承認されており、米国の同剤の添付文書には、重篤な感染症と悪性腫瘍に関する枠組み警告文(boxed warning)が記載されている。

初めてかつ唯一の1日1回投与の経口JAK阻害剤提供に一歩前進

1日1回投与のゼルヤンツ11mg徐放性製剤に関する今回のNDAは、同剤と1日2回投与のゼルヤンツ5mg錠の主要な薬物動態パラメータの同等性を示すことを目的に実施された臨床試験で得られたデータをもとに行われた。承認されれば、MTX治療で効果不十分な中等度から重度の関節リウマチ患者に対し、1日1回投与の経口JAK阻害剤を初めて提供するという目標に近づくことになると、ファイザーは述べている。

同社は、リウマチ学、皮膚科学、消化器病学といった分野で、さまざまな免疫介在性の炎症性疾患に関する強力な臨床開発プログラムを実施することにより、JAK阻害とゼルヤンツに関する科学的知見を積み上げているという。現在、中等度から重度の慢性尋常性乾癬で、全身療法または光線療法の対象となる成人患者を適応とした1日2回投与のゼルヤンツ10mgおよび5mg錠の医薬品承認事項変更申請が、FDAによって審査されている。また、中等度から重度の関節リウマチにおけるゼルヤンツの臨床開発プログラムが世界規模で実施され、現在までに約6,200名の患者を対象に、関節リウマチに対するゼルヤンツのリスク・ベネフィットが評価されている。

▼関連リンク
ファイザー株式会社 プレスリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • バビースモ、網膜色素線条P3試験で主要評価項目達成-中外
  • 婦人科疾患の診断や不妊治療に有用な免疫検査パネルを発売-シスメックスほか
  • 新型コロナの次世代 mRNA ワクチン「コスタイベ筋注用」、国内第Ⅲ相試験で既存オミクロン株対応2価ワクチンに対する優越性検証を達成-Meiji Seika ファルマ
  • SGLT2阻害薬、糖尿病関連腎臓病の進行を抑える新たな仕組みを発見-岡山大ほか
  • 縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー薬「アセノベル」承認-ノーベルファーマほか